内容説明
母語に比べ外国語の読解には大きな認知的負荷がかかるが、読解を補助する方法の一つに図解がある。読み手が必要な情報を同時提示できるという図解の特性により、読み手が情報を探索する際の効率が向上し、結果として認知的負荷が軽減されることが明らかになっている。本書では日本人にとって外国語である英語で書かれた文を読解する際に探索的効率性を向上させる図解が果たす役割について6つの心理学的実験により検証した。
目次
第1章 本研究の背景と目的(母語と外国語における読解活動;学習者の文章理解を補助促進する方法;文章理解を補助する図解;本研究の目的;本研究の構成)
第2章 文章全体の理解を補助促進する図解の効果(第2章の目的;研究1:図解が果たす文章理解促進の効果;研究2:図解と探索的効率性との関係;研究3:学習者の図解作成が読解方略に及ぼす影響;第2章のまとめ)
第3章 統語要素の図的提示の効果(第3章の目的;研究4:統語要素の図的提示の効果;研究5:統語要素の図的提示と探索的効率性との関係;研究6:学習者による統語要素の図的配置変換;第3章のまとめ)
第4章 総合的考察(研究課題要約と教育的示唆;図を用いた教育方法の授業実践;今後の研究課題)