内容説明
この論文集は、「内」と「外」の概念を鍵語として、12名の執筆者が多様な観点から「内」と「外」に関連するテーマを論じたものである。全体を通して、事態把握の仕方に対する、日本語と特に英語との類似性や相違点を明らかにすることが共通の眼目となっている。認知言語学、日本語学、生成文法、機能的構文論等で取り上げられてきた問題に対して、新たな視座からアプローチすることによって文法研究の面白さを伝える。
目次
第1部 構文・叙述の類型・概念拡張(日本語の尊敬構文と内・外の視点;参与者の概念拡張と比較文形成;懸垂分詞構文を動機づける「内」の視点)
第2部 再帰代名詞・人称・自分(直示的視点と小説に現れた再帰代名詞「自分」の解釈をめぐって;話者指示性と視点と対比―日英語再帰代名詞の意味拡張の仕組み;人称と活格類型―上代日本語の代名詞体系の観点から)
第3部 話法・時制現象(視点の混在と小説の語り―自由間接話法の問題をめぐって;「内」の視点・「外」の視点と時制現象―日英語対照研究)
第4部 存在・身体・他者理解(「存在」の連鎖と「部分」/「全体」のスキーマ―「内」と「外」のあいだ;認知モードの射程;他者理解における「内」と「外」)
著者等紹介
坪本篤朗[ツボモトアツロウ]
1949年、大阪府生まれ。静岡県立大学・教授
早瀬尚子[ハヤセナオコ]
1967年、大阪府生まれ。大阪大学・准教授
和田尚明[ワダナオアキ]
1968年、大阪府生まれ。筑波大学・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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