内容説明
「グロテスクなものとの出遭い」というテーマを中心に、トルーマン・カポーティの作品を論じた論文集である。「グロテスクなものとの出遭い」はわれわれの日常的な意識をわれわれの内面に潜在する「無意識」に対面させるのに格好の機会である。各作品の主人公たちは「グロテスクな」登場人物たちとの出遭いによって、時には高次の自我に目覚め、時には大きな挫折感を感じる。本書ではそのような運命的な出遭いを取り上げ考察した。
目次
1 初期短篇の考察―無意識との遭遇のテーマをめぐって
2 Other Voices,Other Rooms―ジョエルのイニシエーション=ストーリーとしての
3 二つの“Dark Stories”―“Shut a Final Door”と“Master Misery”の考察
4 The Grass Harpの考察―「孤独」と「愛」のテーマをめぐって
5 後期短篇の考察―“A Diamond Guitar”と“A Christmas Memory”に見られる「自由の希求」のテーマ
6 Breakfast at Tiffany’s―Hollyをめぐる「自由」と「孤独」のfantasy
7 In Cold Blood―「事実」と「虚構」の接点
8 Local Color―nonfictionへの道程
9 Music for Chameleons
10 ‘Handcarved Coffins’―nonfictionの形を取ったfiction
11 Conversational Portratis―Capoteの作品への新たなアプローチ
著者等紹介
内田豊[ウチダユタカ]
1954年1月生まれ。1978年、文学修士(関西学院大学)。1981年、関西学院大学文学研究科博士後期課程英文学専攻単位取得満期退学。江南女子短期大学専任講師、樟蔭女子短期大学専任講師、同助教授を経て、大阪樟蔭女子大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ゆきえ