内容説明
本書は、文法と語用論の関係を捉えるために提唱された一般理論、「言語使用の三層モデル」をテーマに書き下ろされた論文を収めた英語学・言語学の論文集である。三層モデルを起点にした文法と言語使用に関わる論考が、三層モデルと関わりが深い意味論、語用論はもとより、統語論、形態論、社会言語学、通時的研究をも含めて、広い視野から展開されている。新たな言語研究の可能性を追求した、英語学・言語学関係者必読の書である。
目次
第1部 基調論文(自分の言語学―言語使用の三層モデルに向けて)
第2部 三層モデルとその適用(三層モデルによる独り言の分析;言語使用の三層モデルと時制・モダリティ・心的態度;デフォルト志向性の解除;言語使用の三層モデルから見たbecause X構文;言語使用の三層モデルから見た英語の遂行節―I tell youと情報の優位性)
第3部 三層モデルとその周辺(私的表現と発話行為・私的自己とde se;公的表現としての対話の階層性と英語の三人称代名詞の3分類;ことばの研究における自己観と社会思想―場の理論からの展望;「自己表現」の日本語史・素描;言語接触と対照言語研究―「マイカー」という「自分」表現について)
著者等紹介
廣瀬幸生[ヒロセユキオ]
1956年生まれ。筑波大学人文社会系教授。専門は、英語学、日英語対照研究、意味論・語用論
島田雅晴[シマダマサハル]
1966年生まれ。筑波大学人文社会系准教授。専門は、理論言語学
和田尚明[ワダナオアキ]
1968年生まれ。筑波大学人文社会系准教授。専門は、英語学、時制・アスペクト・モダリティ
金谷優[カネタニマサル]
1979年生まれ。筑波大学人文社会系助教。専門は、英語学、構文文法論
長野明子[ナガノアキコ]
東北大学大学院情報科学研究科准教授。専門は、形態論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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