出版社内容情報
芸者衆の行き交う檜物町にある一膳めし屋丸九は、日本橋北詰時代からの馴染みに花街の新しい客と、今日も賑やかだ。
近頃は、おかみ・お高が切り盛りする店に、亭主で絵師の作太郎が趣向を凝らした宴席を仕立て、さらに彩りを添えている。
トロのねぎま鍋、ふぐの焼霜造り、柿酢のなます──旬の味が客の心をほぐす一方、惚れた弱みで夫を立てるお高のまなざしを古参お栄は見逃さない。
お運びのお近は、親しくなった芸者・初花の前に現れた父親に胸をざわつかせ……。
江戸の味と人情を描く大好評時代小説シリーズ。
【目次】



