出版社内容情報
姑の一子と嫁の二三、従業員の皐の三人で仲よく営む東京は佃の「はじめ食堂」。
春になり、二三の娘で編集者の要、銀座老舗クラブのチーママの梓や魚政の山手、人気作家の足利など常連客たちとのお花見会をすることに。
筍ご飯、新玉ネギとデコポンのサラダ、スペイン風オムレツなど沢山のおいしいごはんと新趣向の余興があり──(「桜のかき揚げ」)。
表題作ほか「幻惑のフルコース」「おしんこマイラブ」「日陰のサラダ」「コンソメのふる里」の五話収録。
六十五万部突破の大人気シリーズ、さらにパワーアップのシリーズ十八弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
157
人としてどうよという話、夫婦喧嘩は犬も食わないというけど、食っちゃったよと言う話やらあったけど、皐も頑張ってるし、康平と瑠美はお互いリスペクトしていいカップルだと実感できるし、久しぶりに古株常連の魚政の山手さんにスポットが当たったのはうれしいな。改めて、はじめ食堂はいい店だ。今作、紹介された酒は焼酎ばかり。焼酎は、ちょっと苦手であまり飲まないから、さっぱりわからん(笑)。でも、少しは飲めるようになってきたから、ここで紹介された焼酎をいつか飲んでみたい。唯一、紹介された日本酒の“杉錦”は飲んでみたいな。2025/07/22
KAZOO
107
山口さんのこのシリーズも18作目となったようです。最近の状況(物価上昇による店の定食の値上げなど)などを反映してくれていますが、登場しているお酒やメニューなど若干マンネリ化してきているようです。ただ、お花見会もいつものごとく開かれますが今回は料理よりもその内容に工夫が凝らされています。2025/07/17
タイ子
104
前作の全国お雑煮シリーズの続き、香川県の餡餅雑煮の変化球。オーソドックスな食べ方をしないのがこの「はじめ食堂」のいいところかも。自分の立場や地位を守るためには人を利用することも一向に構わない人って何だか悲しいね。そんな話もあれば、以前店で問題が起こった時に関係した人が久々に食堂にやってきた。皐の胸にポッと何かが灯った。でも、この話にはほろ苦いオチが。浅漬けのキャベツの味か…それもなかなか美味しいよ。「はじめ食堂」には連綿と続いてきた歴史と人と人の絆と繋がりがあるんだなってあらためて感じたシリーズ第18弾。2025/07/31
Karl Heintz Schneider
55
ついにシリーズ18弾、まだまだ続きそうな気配。ランチがついに800円に値上げ。でも常連たちは誰も文句を言わない。今回、自分では愛妻家だと思っていたのに突然妻から離婚を切り出された男が店にやってくる。話を聞いた二三のひと言がグサリときた。「どうして私たち女性は妻の不満の原因に想像がつくのに、夫はまるで気付かないのだろう。」これを読んだ男性は全員少なからず身に覚えがあるのではないだろうか。「やっぱり男と女の間には、深くて暗い河があるのかしら。」確かにそうなのかもしれない。でも男はそれを言い訳にしてはいけない。2025/10/01
Ikutan
53
シリーズ第18弾。第一話の『幻惑のフルコース』の後味が悪かったので、どうなることかと心配したけれど、その後はいつものはじめ食堂に戻って、お花見会があったりと賑やかな様子で一安心。お味噌汁以外にお漬物の腕を磨くさっちゃん。万里くんの修行も順調で、はじめ食堂のお料理を褒める姿は、一人前の料理人。今回気になったメニューは焼き里芋の味噌ダレ。和テイストの麻婆丼も美味しそう。ごぼうとベーコンのお味噌汁に黒胡椒もやってみよう。2025/10/10




