出版社内容情報
大和新聞の記者・片山は、選挙の取材中に「ある都議会議員の不審死」を知り、懇意にしている刑事に探りを入れた。
一方、国会議員のベテラン秘書の中村は、新人候補の大学教授の選挙応援に駆り出された。
苦しい選挙戦のなか、本人の女性スキャンダルが拡散され──。
「政治」と「カネ」と「犯罪」の深い闇。
政界のタブーに昂然と斬り込んだ問題作、待望の文庫化。
巻末に、著者と動画メディア「文藝春秋PLUS」編集長とのスリリングな特別対談を収録。
(「ゼロ打ち」とは、選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること)
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tnyak
5
選挙を題材とした小説。それにしても、怖くておぞましい世界だなぁ。2025/07/31
うさぎや
4
「ゼロ打ち」とは選挙で開票と同時に当確発表を出すこと。その裏側がどうなっているのかがわかって面白い。もちろんサスペンスフルな展開も。2025/07/19
shonborism
3
参院選の投票日に読了。偶然ながら、『トップリーグ』は6年前の参院選の日に読み終えていたらしい。 国政選挙と地方議会を結ぶ闇、また政治とメディアの癒着を炙る作品。相手が相手だけにモヤモヤも多し。2025/07/20
mikoto_oji
2
えげつない世界を書ききっている。選挙は何のためにあるか、政治家は何のためにいるのか、考えさせられます。あきらめたくなるけど、決してあきらめてはいけないのだと思う。2025/07/27
yuuguren
1
社会部記者の片山は選挙報道体制の充実を図る社の方針により、衆院選挙の応援を行うことになる。同時に病死とされたある都議の死因について疑念を持ち調べ始める。すると担当する選挙区に関係する人物がこの都議の元秘書であることに行きつく。 記者にとって押しつけられた選挙報道と自らの問題意識から発した代議士不審死ネタの対比が面白い。選挙の実情、政界の闇の部分、大手新聞の内幕など重いテーマをうまくミックスして面白く読ませてくれた。2025/08/07