出版社内容情報
一九四○年、太平洋戦争勃発直前のサイパン。
日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が、南洋庁サイパン支庁庶務係として降り立つ。
ここにはあらゆるスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、情報収集をしていた。
そして麻田もまた日本海軍のスパイという密命を帯びていた……。
時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか?
そして、どこまで意志を通すことができるのか?
南洋の地を舞台にした壮大な物語、待望の文庫化!
(解説・吉田大助)
内容説明
一九四〇年、太平洋戦争勃発直前のサイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が、南洋庁サイパン支庁庶務係として降り立つ。ここにはあらゆるスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、情報収集をしていた。そして麻田もまた日本海軍のスパイという密命を帯びていた…。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか?そして、どこまで意志を通すことができるのか?南洋の地を舞台にした壮大な物語、待望の文庫化!推理作家協会賞(長編部門)候補。
著者等紹介
岩井圭也[イワイケイヤ]
1987年生まれ、大阪府出身。北海道大学大学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
29
1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地で、横浜からやってきた麻田健吾が生き延びようとあがく物語。これまで喘息持ちで満足に働けなかったことを悔い、友人の紹介で海軍の堂本少佐の下でスパイとして働き始める麻田。沖縄から移住してきた漁師の自殺や、地元の名士が殺された真相などを追い、結果を残していく麻田が直面する、日米開戦に懐疑的だった堂本少佐の失踪。当時の時代観が色濃く反映される空気の中で、汚名を挽回して何とか生き延びようと奔走する麻田の熱い想いが心に強く響く物語でした。2025/05/15
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