出版社内容情報
抗う者、〝悪党〟である楠木正成の狙いであった、護良親王の手で鎌倉幕府を倒し、武門の頂点に立たせるという策は、足利尊氏の唐突な幕府裏切りにより失敗した。
だが、朝廷による新たな政は始まった。
ならばここから、尊氏より武家の棟梁という立場を奪い取ればいい──。
北条残党、今上帝(後醍醐天皇)との協力など、正成は己たちの夢を実現するため、虎視眈々と策を練るが……。
足利尊氏、新田義貞、足利直義、高師直ら、綺羅星の如き英傑たちとぶつかり合い、熱き理想を目指す、心震わす大河歴史小説。
全二冊。(解説・田口幹人)
内容説明
抗う者、“悪党”である楠木正成の狙いであった、護良親王の手で鎌倉幕府を倒し、武門の頂点に立たせるという策は、足利尊氏の唐突な幕府裏切りにより失敗した。だが、朝廷による新たな政は始まった。ならばここから、尊氏より武家の棟梁という立場を奪い取ればいい―。北条残党、今上帝(後醍醐天皇)との協力など、正成は己たちの夢を実現するため、虎視耽々と策を練るが…。足利尊氏、新田義貞、足利直義、高師直ら、綺羅星の如き英傑たちとぶつかり合い、熱き理想を目指す、心震わす大河歴史小説。全二冊。
著者等紹介
稲田幸久[イナダユキヒサ]
1983年広島県広島市生まれ。大阪教育大学大学院修了。広島県安芸高田市職員として勤務後、退職。フリーランスでチラシ作成等を行う傍ら、執筆。『駆ける 少年騎馬遊撃隊』でデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるま
9
上巻に引き続きで一気読み 読みごたえたっぷりでした 著者の渾身の一作ですね 歴史小説は歴史を題材としている故に、史実を逸脱することは出来ず、ということは結末は知っているのだ 鎌倉幕府滅亡後、建武の新政が執り行われる訳だが、すぐに足利尊氏が室町幕府を起こすわけで、楠木正成が表舞台にはほんの少ししか登場しないのだ けれども、ラストの100ページ強にもわたる湊川の戦いの描写はまさに手に汗握る展開で、正成や家臣達の壮絶な尊氏の首を捉えるんとする様は心にぐっと迫る想いでしたね 楠木正成の最期はどうなったんだろうね2025/01/02
たけのうみ
2
12024/10/14
陽
1
下巻は、楠木正成と好敵手、足利尊氏との、次の時代へのそれぞれの熱い思いを一騎打ちに見立てて、最後は、尊氏が目指す時代に理解し、託す。尊氏は、楠木正成の目指すものを理解しつつ、まだ、世の中が追いついてない為、過程が大事としながらも、尊敬し合うラストが、圧巻だった。七郎、鈴丸、藤助、飛王丸の仲間や足利直義、高師直などとの鍔迫り合いなど、痛快であった。 作者の今の世情を盛り込みながら、正成が、着目する所が常に未来を見ており、堺も後々、自治都市になるし、美味い描写であり、正成なら、本当にそこを目指したと思えた。2025/03/25
east
0
支配階級が武士であった時代、民衆は支配されることをどのように思っていたのか。これはあくまで今の時代に生きる我々の想像でしかなく、様々な解釈があると思った。 作中の楠木正成が戦い抜いた軌跡が、現代の民衆の自由に繋がっている、そんな気にさせてくれる作品だった。2025/03/20




