出版社内容情報
手掛けた着物の評判もよく精進を欠かさない律の元に、名指しでの着物の注文が二件も来た。しかしそのうちの一つは「地獄絵」を描いて欲しいというもので、律はためらい悩む。そんな折、夫の涼太が出かけたまま翌朝になっても帰らない。心配していると、「りょうた」という者が川に落ちた死したと聞き、番屋にかけつけるが……。似面絵の腕も冴えわたり、妻として、上絵師として生きる律の好調・好評シリーズ第10弾!
内容説明
手掛けた着物の評判がよく、律に名指しで着物の仕事が入る。しかし、それは死装束に「地獄絵」を描いて欲しいという注文で、律の気は乗らない。そんな折、親類の弔問で訪れた王子で知り合った上方言葉の男・余助が、律の仕事場に突然やってきて―。似面顔の腕前も冴え、妻として絵師として充実した日々を送る律が人生の新たな局面を迎える。好評シリーズ第十弾!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もんらっしぇ
91
『お、厚みがあるな』などと思いながら実は途中まで読んでストップ、著者の新シリーズの新刊に浮気しつつ、ちょっと失望も…当シリーズの新作が出て慌てての読了。相変らずのわたくしで御座います<(_ _)>で、何故途中でいったん読むのをやめたのか、疑問点は他の方のレビューを拝読して思い出しました…「登場人物が多すぎるのか?話が分かりにくいのか?読みづらい、ページ数が多いのでなかなか読み進めれない…」…etc. いやここで知野さんを貶そうっていう訳じゃないんですよね。結論を申せば本作面白く満足しましたから。→ 2025/05/31
真理そら
66
青陽堂の従業員の多さに驚く読者である。知野作品の女職人モノは楽しい。が、律は職人としても若旦那の妻としてもそこはかとなく漂う(言い方は悪いが)中途半端感が物足りない。とはいえその中途半端な雰囲気が現実的とも言えるかもしれない。それはさておき、綾乃さんに幸せをと願う読者である。2024/08/10
天の川
61
似面絵を介しての捕物帖と格差のある幼馴染との恋模様の二輪だったのが、めでたく祝言をあげたことで捕物帖とお店の人間模様に。それはそれで面白いのだけれど、これまでに間口を広げ過ぎたせい(?)&青陽堂の従業員が多いこともあって、登場人物が多くなり過ぎて遥かかなたの記憶を呼び覚ませないこともしばしば(-_-;)相変わらず、着物の上絵の描写が美しいなと感心する。2024/07/14
baba
47
シリーズ10作品目。上絵師と妻の座をつとめ幸せを掴みつつ、似面絵など事件に巻き込まれ、あわやの事態に。途中でもしかしてと思いながら、あれっ違った?でも最後でやっぱり、良かった。身体を大切にね。次回が楽しみ。2025/02/14
のんちゃん
33
上絵師にしてお上からの依頼で似面絵も描くお律の活躍を描くシリーズ、第10弾。今作は人の心の内を奉公人、町人、悪人等など、色々な人々から探っていった内容となっている。善人もかつては悪人の心をもっていたり、嘘に嘘を上書きしていくものもいる。人の心は時と共にかわり、良くも悪くも、清くも濁りもする。人の心とは、頼りなくもまた逞しいものでもある。そんな事を思わせる作品となっている。が、今回もまた、登場人物盛りだくさんで、時々この人誰だっけ?が、何回もあった。知野先生、もうそろそろ登場人物、打ち止めにして下さい😆2024/09/17
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