出版社内容情報
三十年以上に亘って県を跨いで繰り返されてきたのに、全てが未解決という幼女誘拐殺人事件。
その真相を暴くべく、東日新聞の新鋭古山とベテラン松島、二人の新聞記者は取材を続ける。
だがその最中、当時の捜査担当だった警察署長が自ら命を絶った。
背後に蠢く大きな闇が見え隠れする中、古山はこの事件に疑問を持ったが故に圧力をかけられ辞めた、元警察官僚の女性覆面作家と会い……。
権力、忖度、矜持──メディアへの警鐘を鳴らす、傑作ミステリー。(巻末対談 堂場瞬一×角川春樹)
内容説明
三十年以上に亘って県を跨いで繰り返されてきたのに、全てが未解決という幼女誘拐殺人事件。その真相を暴くべく、東日新聞の新鋭古山とベテラン松島、二人の新聞記者は取材を続ける。だがその最中、当時の捜査担当だった警察署長が自ら命を絶った。背後に蠢く大きな闇が見え隠れする中、古山はこの事件に疑問を持ったが故に圧力をかけられ辞めた、元警察官僚の女性覆面作家と会い…。権力、忖度、矜持―メディアへの警鐘を鳴らす、傑作ミステリー。(巻末対談 堂場瞬一×角川春樹)
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
最近の堂場さんは、警察ものに加えて、事件に関連しての記者や政治家などを登場させています。今回は完全に記者の視点からの話です(記者と政治家の三代にわたるやり取りを描いた三部作もあります)。千葉での幼児誘拐殺人事件が発端となり、過去の埼玉での同様な事件がつながってきます。千葉の支局の記者と埼玉の支局の記者が、様々な外部からの圧力に耐えながらも解決に導きます。やはり警察は事件に絡むので外部からの圧力を受けやすくまた忖度する傾向にあるのでしょう。2024/06/07
ま~くん
26
未解決事件にはそうなる理由がある。30年間も続く幼女失踪と殺人事件。全て江戸川近辺で発生という事実がありながら警察は全く真相に近づけない。絶対的な縦組織であるが故に繰り返される弊害。警察程恐ろしい権力組織は他にあるだろうか。ベテランと若手新聞記者2人が組織の闇に切り込んでいく様は、第三者から見れば昔の特攻隊のようだ。真相は吐きそうな程下種なものだった。現実の世界でも過去にあったのかも知れない。テレビ、新聞、週刊誌にNET記事。今こそメディアリテラシーが問われている。真実の隠蔽と真相解明は前者の方が簡単だ。2024/12/18
ゴルフ72
22
33年前事件の担当だった警察署長が自ら命を絶つ!その遺書は何を語るのか?また覆面作家と古山との接触は解決の糸口になるのか?塾講師桂木が主犯とわかるも命を絶つ!事件はどうなる?後半のメディアと権力とのやり取りが面白い。2024/09/02
こーすけ
10
ベテラン記者の松島、若手記者の古山。社会部と政治部。千葉県警と埼玉県警。政治家と官僚。メディアと警察と様々な角度から二つの視点で進められるストーリー。 老練な松島の状況判断や取材手法、そして家族や自身の健康や老後を考える姿は共感し、古山の仕事への熱さや社会の不条理への不満は若かりし頃を思い起こす。 そして、権力者の傲慢に相対するストーリー展開にどんどん引き込まれ、後半は本を手放せない。 2025/04/11
ジュンコ
10
一気読みだった!大満足。2024/04/22