出版社内容情報
二月朔日、〈出直し神社〉の境内に、螺髪頭の若い男が駆け込んできた。
売り物の茹でたまごが、ひとつ浮き上がって空を飛び、追いかけているうちに偶然ここに辿り着いたという。
一方、お蔵茶屋〈くら姫〉は盛況だが、似通った店が次々と出来て競合が激しさを増す。
巷では〈そなたの母〉と呼ばれる騙りの手口による強盗事件が起きて……。
神社を参拝した人々の人生が、縁起の良いたね銭と、貧乏神に見込まれた娘の奮闘によって動き出す!シリーズ第五作。
内容説明
二月朔日、“出直し神社”の境内に、螺髪頭の若い男が駆け込んできた。売り物の茹でたまごが、ひとつ浮き上がって空を飛び、追いかけているうちに偶然ここに辿り着いたという。一方、お蔵茶屋“くら姫”は盛況だが、似通った店が次々と出来て競合が激しさを増す。巷では“そなたの母”と呼ばれる騙りの手口による強盗事件が起きて…。神社を参拝した人々の人生が、縁起の良いたね銭と、貧乏神に見込まれた娘の奮闘によって動き出す!シリーズ第五作。
著者等紹介
櫻部由美子[サクラベユミコ]
大阪府大阪市生まれ。銀行員、鍼灸師などを経て、2015年に『シンデレラの告白』で第7回角川春樹小説賞を受賞。2021年、『くら姫 出直し神社たね銭貸し』で第10回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
82
シリーズ第5弾。出直し神社のおけいちゃんに続々仕事が舞い込んでくる。仕事と言っても賃金はもらわないけど。貰えないのではなくて頂かない。最近、たまご売りの店先で卵が盗まれるのを防いで欲しいとの依頼が。閑古鳥の仕業とわかっているから追っ払うのは朝飯前。閑古鳥の正体を知っているのはおけいちゃんとお婆だけだから。そのたまご売り屋で起こる息子を巡るひと騒動。母が2人現れる、お前の母だと。この母たちが後々登場する時の素顔が面白い。団子の大食いバトルあり、同心丑之助の結婚話あり、盗賊騒ぎありで今作も大いに楽しめた。2024/04/21
真理そら
53
「そなたの母」とはそういう意味だったのか(現代では「あなたの息子」バージョンが多いですけど)。今回もおけいちゃんはせっせと働きたいのにセーブを掛けられて暇を持て余してしまう。破れた淡い初恋の相手の縁談をバックアップするというお仕事は楽しくも辛くもあるけれどひたすらお仕事に頑張るおけいちゃん。志乃屋(吉祥堂?)のその後の様子をもっと詳しく知りたかったので物足りない気分で読了。2024/04/15
み
20
さくさくと♪一冊が、キレイに収まりましたね。閑古鳥が可愛く感じられました^ ^2024/06/15
onasu
15
「出直し神社」5作目は、おけいがたまご問屋の「とりの子屋」で悪さをしていた閑古鳥の閑九郎を叱りつけたのが縁で、請われて滞在するところから。些かマッチポンプの気配もあるが、ここから後段の話に繋げていくのは上手い。 「そなたの母」とは騙りの手口だが、今回は母と子、双子がキーワードで、初話では母と子、2話目、3話目では双方が。 おけいの淡い恋心はあえなく終了も、なりは小さくとも、お年頃との匂わせも好演出。近刊では、たね銭の影が薄くなっているのがやや寂しいが、話しの向きによっては致し方ないか。続編も心待ちに。2024/07/26
陽ちゃん
12
シリーズ5作目。空を飛ぶたまごから始まり、今回も色々な事件に巻き込まれるおけいですが、行く先々で料理の仕方や張り子のお面の作り方などを習得していて、彼女の身にもなっているのかも。読んでいると十二歳位の少女のような気がしていましたが、実際には十八なんですよね…。当時なら所帯を持って子どもがいてもおかしくない年頃ですが、さて、どうなっていくのでしょうね。2024/05/22
-
- 和書
- きりの中のまほう