出版社内容情報
財布や守り袋などを美しい刺?で飾る職人・縫箔師の咲。そんな咲が幼い頃から一人で面倒を見てきた妹の雪が、遂に祝言を挙げる。
その最中、守り袋を日本橋の小間物屋・桝田屋へ納めに行くと、丁度居合わせた仕立屋の参太郎が福寿草の意匠をいたく気に入り、どうしても買いたいと手付を払ってまで懇願した。
どうやら妹の奉公が決まり、餞に一つ買ってやりたいらしい。
その言葉に、咲は雪も母が縫ってくれた守り袋を大切にしていたことを思い出し──。
職人同士の絆、誇り、友情、交流を描いた、傑作人情時代小説第六巻。
内容説明
財布や守り袋などを美しい刺繍で飾る職人・縫箔師の咲。そんな咲が幼い頃から一人で面倒を見てきた妹の雪が、遂に祝言を挙げる。その最中、守り袋を日本橋の小間物屋・桝田屋へ納めに行くと、丁度居合わせた仕立屋の参太郎が福寿草の意匠をいたく気に入り、どうしても買いたいと手付を払ってまで懇願した。どうやら妹の奉公が決まり、餞に一つ買ってやりたいらしい。その言葉に、咲は雪も母が縫ってくれた守り袋を大切にしていたことを思い出し―。職人同士の絆、誇り、友情、交流を描いた、傑作人情時代小説第六巻。
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ。ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年、『妖国の剣士』で第四回角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
79
シリーズ第6弾。女縫箔師の咲も銘が入るくらいの職人になった。彼女が今回一番嬉しく誉に思ったのはかつての師匠から能装束の着物の意匠から縫箔までやって欲しいとの依頼。もしかすると、稲荷神社の孤神かもしれない<しろ>と<ましろ>のおかげかも?そして、咲の妹・雪もめでたく無事嫁ぐことができひと安心。駿という女、大店の女将なのだが暇を持て余してるようであちこちに現れては噂話をまきちらし、周りの者も呆れる始末。だが本人は至って悪気無しの所が腹立たしい。こういう人今の世でも居るわ。咲と修次も未だ友人以上、恋人未満。2024/03/20
真理そら
68
妹の雪の祝言。ついに能「小鍛冶」の童子の着物(着付)の仕事を意匠からできることになってお咲は嬉しい。修次と組んでのお仕事の楽しさに目覚めるお咲だが、職人同士のままで行くのか恋仲になるのか読者としても気のもめるところです。噂話好きのお駿登場、お駿は大店のおかみだがどこか訳アリっぽい、この辺りは次作で判明するのかな。知野作品ではいやな人のように見えてもそれなりの事情があったりするので期待して待とう。2024/02/19
天の川
52
しろとましろに会いたくて、読まずにはいられない♪咲が以前住んでいた長屋の住人だった金棒引きのお駿が全編に渡って人間関係をかき回す。とは言え、兄妹が互いを思う「雪の果て」、飛脚二人の固い友情「友誼」、遊女に贈る品を巡る「相槌」、いずれも温かい。縫箔師・咲と飾職人・修次の仲も少しずつ…職人仲間としての心地良さに踏み出せない気持ちもわかるけれど、じれったいなあ。しろとましろの幼馴染の花野が登場。おあげが好きなしろとましろに対して花野は草餅が好きなことから神鹿の化身?次の展開が楽しみ♪2024/06/25
はにこ
51
弟、妹がそれぞれ家庭を持つ。親代わりに育ててきて泣けるの分かる。仕事で好調なのに、あること無いこと噂されるのは気持ちよくないよね。良くも悪くも近所に気を回すのは江戸時代ならではなのかもだけど。しろとましろ、相変わらず可愛すぎる。友達かぁ、良いね。そう言ってもらえて嬉しいのも分かる。2025/03/29
ひさか
45
2024年2月ハルキ時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ6作目。雪の果て、友誼、相槌、の3つの連作短編。咲の仕事は順調で、その仕事を頼む人たち、咲の作ったものを手に入れた人たちの話が沢山あり、景気は良いものの、繰り返しのような展開で、少し不満。しろとましろに花野も加わり不思議メンバーが増えたのは楽しい。2024/03/31