出版社内容情報
家の声が聞こえるという力を持つ遠野守人は、月光荘二階をイベントスペースとしてオープンした後、管理人として慌ただしい日々を過ごしていた。
そんな折、月光荘オーナーの島田から「社会人としての門出を祝おう」と狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」に誘われる。
大学の恩師・木谷と三人で店を訪ねた守人を待っていたのは、自分が目指すべき道へとつながっていく、不思議な音との出会いだった。
大切な過去、つながる縁、そして未来。感動のシリーズ完結!
内容説明
家の声が聞こえるという力を持つ遠野守人は、月光荘二階をイベントスペースとしてオープンした後、管理人として慌ただしい日々を過ごしていた。そんな折、月光荘オーナーの島田から「社会人としての門出を祝おう」と狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」に誘われる。大学の恩師・木谷と三人で店を訪ねた守人を待っていたのは、自分が目指すべき道へとつながっていく、不思議な音との出会いだった。大切な過去、つながる縁、そして未来。感動のシリーズ完結!
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1964年、東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」で、第38回群像新人文学賞優秀作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
219
消えていく家、再生される家、もちろん新しくできる家、これらの家の声を、これからも守人が聞いていくのだろう。いつしか家も友と呼べるようになり、家の声と話すことによって、見えない糸が縁となって光り、孤独だった守人に素晴らしい人達と出会い、まだ見ぬ縁や友ができるだろうな。守人はまだ成長し続ける。家の声を聞ける能力で繋がった仲間や家の声で見つかった守人の目指す新しい道。見届けたかったけど、見届けれないのは寂しい。これで完結なのが残念。いつか番外編で、まだまだ成長し続けるだろう守人のその後が知りたい。2023/07/08
しんたろー
132
シリーズ第6巻は、守人が親友・田辺とその祖父との関わりの中で自身の生き方を決めてゆく話。第1巻では魅力に欠けた守人が巻を追う毎に段々と成長する物語でもあったが、最終巻らしく納得できる方向性が見えて良かった。 『三日月堂』シリーズでもそうだったが、主人公の生き方を応援しながら、自分の人生を振り返り、行間から懐かしい匂いがする…きっと、ほしおさんの人と街への温かい視点が癒してくれるのだろう。御贔屓べんてんちゃん登場が少なかったのだけが心残りだが「ジュウブン、イキロ。タノシク、イキロ」を忘れずに生きてゆきたい。2024/04/13
シナモン
124
シリーズ6作目。「カラダガアルウチシカ、デキナイコト、タクサンアル。ダカラ、イキロ。ジュウブン、イキロ。タノシク、イキロ」家の言葉が殊更じーんと胸に沁みて涙が。大好きなシリーズ、この巻で完結とは寂しい。皆さんおっしゃるように他の作品でまた守人や月光荘に会えると嬉しいな。2023/10/09
のぶ
124
シリーズ6作目にして完結ですね。主人公の遠野守人は川越にある古民家「月光荘」の住み込み管理人。幼いときから家の声が聞こえるという不思議な能力が本作でも十分に物語に温かみを与えていた。そして月光荘二階をイベントスペースとしてオープンした後、慌ただしい日々を過ごしていた。やがて月光荘オーナーの島田から「社会人としての門出を祝おう」と狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」に誘われる。これから月光荘をどうしていくのか。あと川島町のシアターカフェや守人のこれからがどうなるのかは想像するしかない。2023/06/26
KAZOO
119
ほしおさんの月光荘シリーズが今回の6作目で終了になりました。川越の町での青年が古家の言葉が聞こえるようになって自分の進む道を探していくことで今回はその経験を文章にして小説家としての道を歩き出します。周りの登場人物もいい人ばかりで、正月に家の主の様なものが集まる場所に主人公を案内していきます。そんなに大きな事件が起きるわけではないのですが読んでいてゆったりとした気分に浸れました。2023/06/30