出版社内容情報
縫箔師の咲は注文を受けていた匂い袋を納めるため、日本橋にある香木屋・瑞香堂へ向かう。
沈丁花を模した意匠の匂い袋は店主からとても気に入られ、咲は安堵した。
帰り際、先ほど立ち寄った桝田屋で見かけた伊麻と偶然にも再会し話をしていると、九之助という客が近づいて来た。
その姿を見てあからさまに笑みを消す伊麻。そして九之助は咲にむかって突然「化け狐」ではないかと言い出した。
まさかこの男は、しろとましろの正体に気付いているのか!?
話題沸騰、傑作人情時代小説のシリーズ第五巻。
内容説明
縫箔師の咲は注文を受けていた匂い袋を納めるため、日本橋にある香木屋・瑞香堂へ向かう。沈丁花を模した意匠の匂い袋は店主からとても気に入られ、咲は安堵した。帰り際、先ほど立ち寄った桝田屋で見かけた伊麻と偶然にも再会し話をしていると、九之助という客が近づいて来た。その姿を見てあからさまに笑みを消す伊麻。そして九之助は咲にむかって突然「化け狐」ではないかと言い出した。まさかこの男は、しろとましろの正体に気付いているのか!?話題沸騰、傑作人情時代小説のシリーズ第五巻。
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ。ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年、『妖国の剣士』で第四回角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
91
シリーズ第5弾。どんどん皆の恋も仕事もまとまりかけてきたぞ~。狐大好き男が現れ、何だかアブナイ人みたいな感じがしたけど、結局は単なる狐マニアだった。でも、しろとましろにとっては神狐だけに(想像だけど)近寄りがたい人間ではあるかも。猫の話が良かったな。猫は自分の最期を感じたら人知れず「猫又の山」に行っちゃう話はウルってきた。人形師の跡継ぎ問題の話は謎を解くようで面白い。ずっと座って刺繍をするのは眼も肩もコリコリだろうなと余計な心配までしてしまう咲の縫箔師の技。勘吉が可愛い!2023/03/04
真理そら
66
完結編かと思うほど咲の仕事も恋もいい感じになっている。辻村寿三郎さんの訃報の直後に人形師の物語を読むことになって…この人形師はこれからも咲と組んでお仕事してほしいタイプの職人さんだ。「猫又の山」では虎猫再登場。2023/02/16
ひさか
34
2023年2月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ5作目。瑞香、猫又の山、職人の銘、の3つの連作短編。瑞香という言葉に初めて出会いました。猫又の山はかなりファンタジー寄りの展開で、そういえば他の2編もふわふわした話になっていて、少し今までとは物語世界が異なっているようです。次はどう展開するのか?楽しみです。2023/04/09
ケイプ
32
縫箔師、咲のシリーズ5作目。咲の作る守り袋や匂い袋、財布、半襟、どんなものなのだろうと思い巡らせながら毎回読んでいます。そして私も何か作りたくなるのです。さて、そろそろ修次と進展あるのかな。2023/07/08
のびすけ
30
シリーズ5作目。咲の縫箔の仕事は順調で、修次への気持ちも少し前進。しろとましろのことも少しずつ見えてきた感じで、今後の展開が楽しみ。「職人の銘」では英治郎と文七のそれぞれの生い立ちと関係がややこしくて混乱。上絵師律シリーズもそうだけど、サブストーリーが妙に凝りすぎ。2023/03/11