内容説明
生き別れの兄を探すために江戸にやってきた娘・はるが、隠居の治兵衛から、一膳飯屋「なずな」を任されて、二ヶ月余り。はるの懸命の働きによって、一旦は客の離れた店にも活気が戻りつつあった。けれど彼女が薬売りだった父から学んだ、思い出の鶏湯漬けは、滋味に溢れるものの、物珍しい料理は江戸の人々に簡単には受け入れられない。「なずな」をどのような店にするべきか、悩み始めたはるの元に、兄らしき人物の知らせがもたらされる。慎ましくも美味しい庶民の味と、懸命に生きる人々の情感を描く大好評時代小説、第二弾の登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
159
はる、素人だからって、引け目に感じることはないよ。食べに来た客は、美味しいと言ってるのだから、もっと自信をもって歩んでほしいかな。経営は治兵衛さんからしっかり教えてもらって、料理の腕をあげて繁盛するように努力するのみ。それにしても、はるの作る料理は美味しそうだ。優しさという隠し味が最大の武器だね。今作は思い出の味がテーマなのかな。誰にでも思い出の味ってあるよね。俺にとっての思い出の味はなんだろうと考えたけど思いつかない。物語の方向性も見えて、登場人物も増えて、賑やかになりそうで、次作が楽しみ。2022/05/13
真理そら
55
タイトルになっている笹寿司はとても美味しそうだ。はるが鶏湯漬けをどうしてもメニューに入れたい気持ちが切ない。そのメニューを出していることで兄が「なずな」を訪ねてくる日が来るといいのにね。2022/04/18
坂城 弥生
38
アサリと菜の花の炒め物美味しそうだった!2023/03/28
kagetrasama-aoi(葵・橘)
35
「はるの味だより」第二巻。はるが偶々 一膳飯屋の “なずな” を任される過程は、釈然としないものがあります。でも、「美味しいものを作って、食べた人が喜ぶ顔が見たい。」というはるの気持ちが高まっていく様子に思わず応援したくなりました。兄の失踪の謎、歴史上の超有名人と絡んでいるんでしょうか?次巻、期待して読みます。2024/02/21
あっちゃん
29
シリーズ2冊目!なるほど、よくよく考えたら鶏を使って料理って江戸の時代小説ではあんまり見ないかなぁ!それにしてもお兄さん長崎とか(笑)さすがに行ける距離じゃないよね( ̄ー ̄)2023/10/05