内容説明
人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄する警視庁神南署に張り込む新聞記者たちの間で、交通課の速水警部補が、援助交際をしているという、信じられない噂が流れた。記者の中には、真相を探ろうとするものも現れ、署内に不穏な空気が漂い始める。刑事課の安積警部補は、黙して語らない速水の無実を信じつつ、彼の尾行を始めるが―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
23
1998年11月ケイブンシャノベルス刊。2001年12月ハルキ文庫化。2022年4月新装化してハルキ文庫刊。スカウト、噂、夜回り、自首、刑事部屋の容疑者たち、異動、ツキ、部下、シンボル、の9つの連作短編。神南署シリーズ4作目。東京湾臨海署安積班シリーズの前のシリーズになり、年代が古いこともあって、少し違った趣きはあるものの展開が面白く楽しい。このシリーズも読もうと思う。2023/03/27
み
20
短編集でした。速水さんがスカウトした彼は、シリーズに登場するのか?次作の舞台は?速水さんも一緒?気になるので、読み進めます。2022/12/30
ともパパ
19
「警視庁 神南署」を読んだ勢いそのままに本書を読んだ。こちらは短編集であり、深みはちょっと欠ける気もするけれど、安積とほかのメンバーの信頼関係が素晴らしすぎて、これ以上何も言えない。2025/06/12
ノンケ女医長
18
人情がぎゅっと詰まっていて、気持ちが軽くなる短編集。警察組織では、上司や部下、同僚や他部署との連携は何よりも重要。いろんな衝突で日々摩耗しきっているはずだ。強行犯係長・安積剛志警部補は、手腕と徳性で多くの人から慕われ、業績を残す。異動の噂が神南署に流れ、署員が心配する。どこか、竜崎伸也警視長(隠蔽捜査シリーズ)を彷彿とさせ、ファンになった。マンションに独りで住み「苦しみを戒めとして受け入れる」と考える (96頁) 安積のことをもっと追いかけたい。巻末には、著者の書斎が掲載されている。書棚に感銘を受けた。2022/12/25
さくさく
9
神南署シリーズ第4作は短編集。安積班の面々の個性にフォーカスされていてどれも面白い作品ばかり。速水の援助交際疑惑は勿論ガセネタだったし、黒木と女性記者の関係も周囲が盛り上げただけの話でこの二人は安心感がある。ツキをもっている須田は国際手配の犯人を見事に検挙してしまう大手柄をあげる。そして村雨と桜井のコンビは安積から見れば不安材料だったが当人らは信頼関係を築いていた。でもって皆安積のことを誰よりも信頼して上司として尊敬している。こんか理想的なチームはなかなかないだろう。2023/04/23
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