内容説明
木挽町の芝居茶屋かささぎは、若い店主・喜八とその兄弟分・弥助、料理人・松次郎の三人で営む小さな店。誰もが振り向く色男・喜八と冷たい風貌で女心を痺れさせる弥助目当ての女客や、気の利いた小料理を求める常連に愛されている。が、じつは喜八、かつて江戸市中の風紀を乱す無頼の徒と粛清され、命を落とした町奴かささぎ組親分のひとり息子。それ故、鬼勘の異名をとる火付改・中山直房に、なにかと敵視され…。芝居の町を舞台に、喜八と鬼勘の掛け合いが見どころの事件帖、人情たっぷりにいざ開幕!
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞。主な著書に『青山に在り』(第1回日本歴史時代作家協会賞作品賞)。主なシリーズに「更紗屋おりん雛形帖」(第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
61
木挽町の小さな芝居茶屋「かささぎ」を舞台にした事件帖。茶屋を運営しているのは色男・喜八、クールな男・弥助、渋い料理人・松次郎の3人なので訳アリの女の子が工夫しながら美味しい料理を作るというパターンとは少し毛色が違う。茶屋の3人は元町奴かささぎ組の一味なので火付改鬼勘(中山直房…実在している)に目を付けられているというどことなく不穏な雰囲気が漂う。八百屋お七や高田馬場の仇討等実際の出来事で時代背景が分かる。料理より芝居に重心を置いたシリーズになるのかもという予感がする。2022/01/18
むつこ
28
芝居茶屋の店主が主人公のシリーズ1作目。主人公が店主だということになかなか気が付かず、料理がメインじゃないのね・・・といつになったら楽しめるの?とガマンしていた。1作目なら仕方ない、登場人物の紹介がメインかな。今後の展開に期待する。2023/03/23
tomtom
18
鬼勘が初めは嫌なやつで早くどこかへ行かないかなと思っていたのに、読み終わるとまた次も出てこないかなと思ってしまった。町奴というのも初めて聞いた。2023/05/22
ごへいもち
16
続きを読みたいというほどではなく2023/04/26
なおお
9
期待が薄かった分、予想以上に面白かった。特に、犯人と、濡れ衣を着せられた小僧の雇い主を前に、文字通りひと芝居うつくだりが痛快。2023/08/27