内容説明
松田警察署地域課丹沢湖駐在の“おまわりさん”武田晴虎。元神奈川県捜査一課特殊捜査係、通称SISの第四班長だった彼だが、今は平和で美しい丹沢を守るために地域に根差して活動している。そんな丹沢に、落ち武者の亡霊の目撃談が続出した。観光のイメージダウンにもなってしまう、と晴虎は捜査を開始するが…。格闘、救出、カーアクションとエンターテインメント満載の、新警察小説!
著者等紹介
鳴神響一[ナルカミキョウイチ]
1962年東京都生まれ。中央大学法学部政治学科を卒業。2014年『私が愛したサムライの娘』で、北方謙三・今野敏・角川春樹の全選考委員満場一致により第6回角川春樹小説賞を受賞しデビュー。15年同作で、第3回野村胡堂文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
79
前巻より本の厚みが、1.5倍ぐらい増してる感じ。読み心地も1巻はスピーディーで、2巻はちょっとどっしりした気がする。今回もローカルな地域描写が生き生きとしており、武田晴虎以上に丹沢という土地が主人公な趣が強い。亡霊の目撃談を捜査することから物語は広がってゆく。前半は晴虎が地元のおまわりさんとして行動するのが、微笑ましい。後半はキナ臭い犯罪が見え隠れし出し、作品もアクションの要素が強くなる。事件が解決してみれば、「聖域」というサブタイトルにも大いに納得。とんでもない引きもあって、今から3巻の内容が気になる。2021/11/19
yukision
65
シリーズ2作目。丹沢湖の駐在さんはすっかり地元に馴染んだ様子だが,捜査手腕は一層磨きがかかり,落ち武者の亡霊騒動から殺人事件捜査へと今回も大活躍。やはり駐在さんのままでいるには本人も物足りないのでは,と思う場面もありつつ,周囲から信頼される人間関係を築けるのも駐在さんならでは,か。兜を外した鎧武者はみんな落ち武者のヘアスタイルになるとは知らなかった。次巻も楽しみ。2022/07/07
くたくた
48
今作は幽霊騒ぎからはじまって、北条の埋蔵金、映画のロケ、脱税絡みそして白骨死体。ちょっとしたカーチェイスから、晴虎のニューナンブまで出てきて、ホテルのビュッフェみたいに色とりどりの盛り沢山。解決はあっさり目だけど、晴虎を始め、登場人物がみんなキャラ立ちしていて、とても魅力的。ディティールの作りこみや正確さが、作品の血肉になっている。突拍子もないところもあったりするんだけど、地に足のついた設定が効いてる。「神は細部に宿る」という格言を著者に捧げたい。そしてラストがまた、効いてる。次回を待て!!2022/10/22
むつこ
28
シリーズ2作目。落ち武者の亡霊騒動を小学生から聞き出し、中学生とも仲良くなる町のお巡りさんの主人公・晴虎。のんびりとした温泉町に遺体が発見。たった一人の警官だからか拳銃の使用にびっくり、いいのかな。警察と住民とバランスのよい関係が心地よく、サクサク読める。2022/08/18
み
22
さくさくと♪ハルトマンは、カッケー^ ^そして、次作が気になりますね。2022/02/04