内容説明
お側御用取次・田沼意次のもとには、役職を得るための賄賂を持った大名旗本が毎日のようにやって来る。だが、金で役目を買うような輩は愚か者ばかり。しかも役職の席には限りがある。頭を抱える田沼に両替商分銅屋仁左衛門はある策を授けるが、その帰り道には、左馬介相手に「切れ者の田沼も所詮は武家者、金の遣い方には疎い」と嘆いてみせる。そんな折、分銅屋になじみの研ぎ師がやって来る。番頭がさりげなく話を聞くと、近頃は藩士から錆びた刀の研ぎの依頼が多いのだと言い…。大人気シリーズ、第十二作!
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業、歯科医師。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第16回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
83
江戸の両替商の大店分銅屋仁左衛門の用心棒・諫山左馬介の活躍の物語です。甲州流軍扇術の遣い手の左馬介は、親の代からの浪人で日々食べていくのがやっとであったが、仁左衛門に仕事ぶりを認められて月極めの用心棒として雇われています。此度、会津松平家は、資金繰りに屈して分銅屋から金を借りようとして画策するが相手にされない。そんな時に、幕府老中が会津松平家を徳川一門から外すことを企てている事が窺われ…。 🌿続く→2021/12/30
とし
79
日雇い浪人生活録「金の穽」12巻。両替商分銅屋の用心棒、諌山左馬助しっかりと板に付いて、日雇いでなく仁左衛門専属の用心棒ですね。今回は少し活躍の場面が少なかったようですが次巻の活躍に期待です。 2022/03/28
蕭白
13
読み終えたばかりだけど、続きが気になります。2021/11/23
わたしは元気
7
面白い。サクサク読めます。2021/12/27
kazukitti
5
上田さん久しぶりな感じ。やれコピペ説明が多いの、展開がモタつくだの、主人公よりメインの話は政の権と謀だの言うけど、言ったくせに、やっぱアレだね、好きなんだね、上田節が。安心の上田節だよw で、このシリーズがいいのは、語りたいのは権と謀だけど、渦中のキャラは木と精々林しか見えてないんだけど、武士以外の視点が用意されると、そこも俯瞰した森の様子も語れるってトコなんよね。妾屋昼兵衛と同じ面白さ。商人ばっかだとさすがに「政が語りたい」上田さんにはアレだろうから、武士が主人公格に必要なんだろうけどもw2024/11/30
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