内容説明
本郷に住むフリーライターの野本泰史は、近所の洋食屋「琥珀亭」に足繁く通っている。独身の泰史は、最近店の手伝いをはじめた弓恵というはかなげな女性に、次第に惹かれていく。だがそれを感じた琥珀亭主人夫婦に、あの女性はあなたにふさわしくない、と忠告される…。純粋で美しい「愛」が、恐ろしい「憎しみ」へと堕ちていくとき、あなたは?―傑作長編サスペンス『ひとごろし』を改題、装いも新たに登場。あなたの全身は総毛立ち、心は凍り付く!
著者等紹介
明野照葉[アケノテルハ]
東京生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。1998年「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪廻』(文藝春秋)で第7回松本清張賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
76
お~、ラスト良いですね。面白かった。愛とはなにか?たまには考えてみるのもいいでしょう。なかなか怖いです。2022/06/10
JKD
10
人と深い関わりを持つことを極度に拒絶する泰史と、執拗なまでに愛情を求め責め込んでくる愛情至上主義の弓恵。加えて絶対家族主義で家族愛を狂信する泰史の妹、萌子。それぞれが対峙して互いの精神を攻撃するシーンはリアルに恐怖を感じました。明野作品はライトなイヤミスのイメージでしたが本作品は心の奥底にあるどす黒い部分をこれでもかと鋭く切り込み抉りだしてきます。誰も悪意はない。あるのは泰史だけ。完璧な化粧をしてケタケタ笑う弓恵。怖いこわい。2021/09/11
MIKETOM
7
愛情がやたら濃すぎるという人がいる。異性に限らず親兄弟、友人など。もう、好きで好きでたまらないというやつ。ま、それも良識内で収まっていればなんの問題もないのだが、これが常軌を逸したレベルまでくるともう降って湧いたような災難。てなわけで、二人の女から綱引き状態にされてしまった男。しかもこの男、通常より愛情が薄い性格ときているから相乗効果で激甚災害級。まあ、自業自得の面もあるのだが、まさかここまでだとは夢にも思わず。そりゃ~殺意も湧くわいな。最後は精魂尽き果ててしまって抜け殻のよう。同情します(笑)2024/07/14
MAMI.
4
★★★☆☆2021/09/26
読書と紅茶🥰
3
弓恵と萌子の間で板挟みになる泰史。あれだけ弓恵に入れ込むなと忠告されたのに…パンドラの箱を開けてしまった泰史に救いはあるのだろうか。慎ましやかな弓恵と、兄想いの妹である萌子の姿が後半に行くにしたがって得体のしれない恐怖にかわる。それにしても表紙絵が怖い・笑。2021/09/30
-
- 電子書籍
- となりの魔王【分冊版】 2 Bs-LO…