内容説明
焼き魚定食、冷やし茄子うどん、串カツ、茄子と胡瓜の糠漬け、ウニ載せ煮玉子、マグロの漬け丼―姑の一子、嫁の二三、若頭の万里、三人で営む佃の「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋。メニューが豊富で、なんでも美味しく、財布にも、疲れた心と身体にも優しい。だが、常連のはなの姿が最近見えない。どうやらストーカーされているらしいと万里に相談があり…。続々重版の大人気シリーズ、第十弾。文庫オリジナル。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1958年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。会社勤めをしながら松竹シナリオ研究所でドラマ脚本のプロット作成を手掛ける。2007年『邪剣始末』でデビュー。13年、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら執筆した『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
294
いやあ、なんか物騒な事件もありましたし、いけ好かない男も二人ほど登場するし、世の中、いいことばかりではないというのを思い知らされました。二三さんの同級生が新たに登場して、はじめ食堂は、さらににぎやかになったね。相変わらずの常連さん達、とくに康平と瑠美もいつかゴールインしてほしいね。じれったいわ。いろいろあったけど、はじめ食堂に行けば美味しい料理に美味しいお酒。飲んだことあるお酒がでると、思わずニンマリ。でもパクチーと梅だけは勘弁してくれ~。今作も、リアルにはじめ食堂に行きたくなりました。2021/07/17
みっちゃん
153
読んでいるこちらの顔が嫌悪感で歪むような、最低人間登場。実際にいるんだろうな、こういう人たち。マジでカッコ悪いべ。ああ、リアルはじめ食堂、開店しないだろか。通いつめて常連さんになりたい。2021/10/26
KAZOO
147
今回はもう10作目なのですね。5つの話が収められていていつもながら料理には食べたくなるような感じです。話は1話で終了するのですが、今回は私も知らなかったのですが発達障害と食べものの関係があり興味を惹きました。ただ豆腐ハンバーグなどですぐに治りそうな気配があるのですが‥。まあ料理の仕方なども書いてあり自分でも試してみようと思います。2021/07/27
タイ子
140
食堂のおばちゃんシリーズ第10弾。夏料理のお漬物の瓜の印籠漬けがサッパリと美味しそう。今作のはじめ食堂は、発達障害の子供たちのための食育料理教室を開催する話とか、一年前に急死した後藤さんの空き家騒動、常連の女性へのストーカー事件など、なかなか話題豊富な食堂でした。コロナ禍を都合上、流行病と謳っているところは仕方ないですが、和気あいあいの食事シーンが羨ましくもあります。ただ、外出から帰った娘の要が手も洗わずにつまみ食いをしようとするシーンはビックリです。スコッチエッグっていつ以来だろう、食べたい!2021/08/28
まさきち
122
今作も工夫いっぱいだけど気取らない万里の料理を堪能し、一子と二三の紡ぎ出すあたたかい雰囲気に癒やされた気分になっての読了。そして終盤に康平と瑠美の仲が新しいステージへと向かうかの雰囲気が強まり、次作への期待は膨らんで今すぐ手に取りたくてウズウズ状態になってしまいました。2022/10/25