内容説明
大坂から江戸に出店して四年目、まさにこれから、という矢先、呉服太物商の五鈴屋は、店主幸の妹、結により厳しい事態に追い込まれる。形彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや、今度は商いの存亡にかかわる最大の困難が待ち受けていた。だが、五鈴屋の主従は絶望の淵に突き落とされながらも、こんこんと湧き上がる泉のように知恵を絞り、新たなる夢を育んでいく。商道を究めることを縦糸に、折々の人間模様を緯糸に、織りなされていく江戸時代中期の商家の物語。話題沸騰の大人気シリーズ第九弾!!
著者等紹介
〓田郁[タカダカオル]
兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック誌『YOU』にて漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー。2008年、小説家としたデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
595
こいつはいけねえ。いけねえよ~。(あれ、どこかで聞いたような…)高田郁に物を申したいよ~。幸にどんだけ不幸にさせるんだよ~。結のことだけでいいじゃないかよ~。それにしても結、とんでもないことしやがって…。音羽屋のジジイと共に許せねえよ~。でも、いつか、結とよりを戻して仲の良い姉妹に戻ってほしいと思う自分がいるよ~。音羽屋は地獄に落ちてほしいよ~。でも光明が見えてきたよ~。五鈴屋の快進撃が始まりそうだよ~。と思ったら、そこで終わりになったよ~。次作まで半年後だとさ~。高田郁、ひでえよ~。2020/09/25
小梅
567
シリーズ9作目。結がこの先どうなるか…このまま上手くいくはずはない。五鈴屋の真似は真似だから、それ以上になるのは難しいと思う。しかし、もう9作目。やはり10作で終わるのだとしたら、次作で終了?いや、どうなんだろう。2020/10/13
ひさか
485
2020年9月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ9作目。いきなりの妹の離反には驚きです。予想もしない展開で、しかもさらなる試練がふりかかるとは。皆の工夫で、見えた光明は、でも次回のお楽しみとなって、いやー、うまいストーリー運びです。2020/10/12
Yunemo
456
結の生き方、姉への長きに亘る嫉妬。姉としての幸の生き方、幼い妹への情愛。これがそれぞれを引き離す元になり展開していく本編。でも何だかなぁ、自身としては寂しすぎて、現代でも骨肉の争いはあることで、まさか幸と結がこうした関係になるなんて、とは想いながらこの展開は次への一手かなとの期待感も。それにしてもこれだけ危機が襲来しても負けずに、淵の底でこんこんと湧きだす泉のように知恵を絞り、新たな夢を育んでいく幸の力強さに、読んでる自身のほうが力を貰ってる気分。目指す商道を極めていく道筋、まだまだ遠いのかなと一人想い。2020/09/22
やま
454
あきない世傳 金と銀9作目 2020.09発行。字の大きさは…小。 江戸時代女性が主人として店を営むことが出来なかった大阪から、江戸へ進出して、知恵を武器に難局を切り開いて行く五鈴屋江戸本店の女主人・幸の物語です。 幸は、妹・結に裏切られ、日本橋音羽屋の女主人・結として、商売敵となります。 幸は、両替商音羽屋の主人・忠兵衛の罠にはまり、五鈴屋は、絹織物の商売を諦め太物(木綿)に絞った商いをする店となります。 試練の中で幸は、知恵を絞ります。 安価な木綿で、洒落た浴衣を作り売り出すことを考え出します。→2020/10/26