感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
55
司令官付の副官に任命された女性幹部自衛官。舞台は沖縄という軍事的にも住民感情的にも難しい設定が、最初の司令官とのエピソードの伏線なのだろう。自衛隊も含め国家公務員にはエリートを育成する土壌がある。この物語は、そんなエリートが特技(特殊技術)の志向とは反する副官として、失敗しながら成長していくものなのだろう。組織を代表する長の秘書的立場というのは、経験したくてもできない人が多いものだ。普通に仕事をしていては見えない景色がそこにある、ということを私も経験させてもらったので、読んでいて首肯できる部分が多かった。2023/10/13
Comit
45
積読本~副官の仕事は、各機関との連絡調整と円滑な業務遂行。その為には、自分の畑違いの業務にも精通しなければならず、即時即応の決断力が求められる…(´-`).。oO(どんな仕事にも言えることだと思うのは私だけ?)副官の業務を通して、沖縄米軍基地や、尖閣諸島などの諸問題にも触れつつ、読みやすい内容にまとめられている印象。タイトルとジャケットで購入した一冊。内容は思ったよりライトだったかな^^;2022/08/17
ぶんこ
45
災害派遣の自衛隊の働きを見て、私には自衛隊は感謝の対象ですが、そうでない人もたくさんいることでしょう。そういう人に読んでもらいたい。斑尾玲於奈はゲームが好き。ゲームの達人の技が役に立つと知り自衛隊入隊を決める。沖縄に配属となり転属の時期を迎えた。本人の意図しない部署、司令官付き副官を拝命し悪戦苦闘。県民の気持ちと、国を守る自衛隊員としての責任感。地元テレビ局に「遊覧飛行」と糾弾された尖閣諸島への監視活動飛行にテレビ局クルーが同乗取材した場面は「百聞は一見に如かず」で面白かったです。2022/01/07
海燕
28
表紙のイラストから受けるイメージは、作品と一致しない。著者はこのイラストになぜO.K.を出したのだろう? とすら思う。元航空自衛隊所属の著者による、いたって真面目な「お仕事小説」である。舞台は沖縄にある航空自衛隊の基地で、主人公の女性自衛官は航空方面隊司令官(方面隊のトップ)の副官。副官とは、司令官につく秘書官で、スケジュール管理や秘書業務は勿論、司令官の様々な出張用務にも随行する。大きな事件は起きず、日頃の業務を中心に描かれるが、どれもリアルで自衛官を目指す人には職場を知るよい勉強になる。次も読みたい。2022/12/21
宇宙猫
27
★★★ 意に反して司令官の副官になった主人公のお仕事小説。良く言えば柔軟、悪く言えば適当なところがある若い幹部が、ベテランの部下に助けられながら成長する。自衛隊の副官って仕事が目新しくて面白かった。2021/02/12