内容説明
博物戦艦アンヴェイル号―それは、海の果ての「古のメギオス驚異」を探るために造られた大型帆船。新任女性騎士ティセルは、治世に長けつつも“奇矯王”の異名を持つ、ウルサール王の命を受け、探検には欠かすことのできない様々な言葉を操る通訳の少年ジェイミーの護衛に就く。青年艦長アルセーノに率いられ、博物戦艦は未知なる大海原へと乗り出すが、その行く手には想像を絶する生き物、そして敵国の軍艦が迫る…。海洋冒険小説の登場!
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続け、期待を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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信兵衛
22
作者の小川一水さん、さぞ楽しくこの物語を書いたのだろうなぁと強く感じます。2020/02/26
かとめくん
17
帆船時代の異世界が舞台で、いにしえの宝物を探す航海に出る帆船アンヴェイル。若い船長は頼りなく、新任の女性騎士はかなづち。出航早々に敵対国の帆船に襲われ、前途多難の旅が始まる。作者もよくもこれだけ次々に苦難を与えるものだ。息つく暇もなく、危機に立ち向かう乗組員たち。それは必然的に彼らの成長も促すのだった。それにしても、序盤で襲う嵐のすさまじいこと。読んでいて船酔いしそうなほど。陸地のありがたさが身に沁みました。2023/09/21
ひさか
10
2010年3月朝日ノベルズ刊のものを改稿して、2020年2月ハルキ文庫刊。シリーズ1作目。ドタバタコメディな異世界海洋冒険ファンタジー。うまくまとまっています。次がどう続くかが楽しみです。2020/08/17
ワッキー提督
6
序盤のセクハラ描写は今の小川先生絶対書かなさそうだなと思ったが、あとがきでまさにそこに触れていた。10年あると作家も全然変わる…。内容は非常に面白かったですが、やや「無難」すぎる気もしました。もう少し世界が明らかになると一気に面白くなりそうでもありますが。2020/02/23
くらっくす
5
帆船時代の海洋冒険ファンタジー、主人公はカナヅチの騎士の娘っ子。大航海の果ての神秘「ヌソスの金毛氈」を追う博物戦艦に乗り込む。年頃の士官たちに次々と襲いかかる苦難に、息つく暇もあたえられない。敵船との衝突や海難のなかで成長していく姿は、冒険活劇の見所で、ティセルもアルセーノも見違えていく。ファンタジーならではの要素がたくさん絡んでくるものの、各々のキャラクターが霞まないのがよかった。人は窮地に立たされないと動かないもの。そういった状況でのそれぞれの反応、動きを楽しませてもらいました。2024/02/18