内容説明
千駄木すずらん通りの一番端にある、四代続くトトキ時計店。店番の十刻藤子は、仕事のあとで専門学校に通うほど時計に興味を持つようになった。そのきっかけを作ったのは、スイスから来た時計師・ジャンとアキオ。ジャンは有名な時計師一族の御曹司で、通訳兼世話係のアキオと共に兄弟と偽ってお忍びでやってきたのだ。半年ぶりに戻ってきたふたりとともに、様々な日常の謎をラグジュアリーな時計と高度な時計の知識で解決していく、書き下ろし下町ミステリー。シリーズ第二弾!
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
1974年、香川県生まれ、兵庫県育ち。日本語教師として7年の海外勤務を経て、第11回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として、2013年『婚活島戦記』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
57
父親が時計師への思いが強く、大学進学資金まで使いこんでしまったことで父親や時計に憎しみすら感じていた十刻藤子なのに、この巻では時計学校に通い始めている。スイスに帰った「兄弟」が再来日して、また時計についての膨大な薀蓄が始まる。スイスの大金持ちの御曹司・ジャンの藤子に対する気持ちがとても可愛い。藤子の父はなぜ突然飲んだくれ始めたのか、「先生」とは誰か等々謎を残したままなので続きが読みたい。2023/02/03
うまる
33
機械式時計王子の続編。興味がないどころか恨みすらあった時計の事を学ぶ主人公の姿が感慨深いです。そんな主人公を、またお忍びで日本へ来た時計兄弟が見守っている所も微笑ましい。 時計の話は更に面白く、特に最終話の時計屋敷の話は時計の歴史がわかり大変興味深かったです。何処でも正確な時計を作り出すのに一生を捧げる人が居たとは。発明の世界恐るべし。 水運偽象台はイメージし辛かったので検索してみましたけど、これで水によって時間を計るなんてよく考えたなぁ。 楽しく学べてほっこりできるので、このシリーズは続いてほしいです。2021/07/15
よっち
33
仕事のあとで専門学校に通うほど時計に興味を持つまでになった千駄木・トトキ時計店の店番・十刻藤子。そこに有名な時計師一族の御曹司・ジャンと通訳兼世話係のアキオが半年ぶりに戻ってくる第二弾。捨てられた時計や育てていた生命の木に込められたメッセージ、プレイヤーズコンパスがもたらした心境の変化、ダイバーズウオッチと潮干狩り、藤子の祖父が建設を手伝ったからくり時計の修理。時計の蘊蓄や明らかになる過去が興味深くて三人の関係もいい感じだけど、やっぱり「千駄木の休日」なんですかね…いい落としどころ見つかるといいんですが。2019/10/14
いぼいのしし
23
シリーズ2。相変わらず楽しい3人組だった。ダブルリミテッドというのを初めて知った。二カ国語が話せていいなあと思っていたが、中途半端になってしまうと拙い語彙しか使えないで苦労するというのが意外だった。2020/12/18
coco夏ko10角
21
第2弾。正直最初はあまり藤子のこと好きじゃなかったけど、変化や頑張りに好きになっていった。時計素敵だな~気になったのをネットで検索して見たり。水運儀象台すごい。あとアキオ弟のことが印象に残る。2021/02/07