内容説明
「プロテン」、それは会社に所属しないプロの添乗員のことを指す。とりわけ国枝耕介は若くして、年間に二〇〇日以上を添乗する凄腕だ。「秘境専門ツアー」を企画する東栄旅行はお得意様なのだが、耕介に任されるのは、難しいツアーばかり。困ったカップルが参加するウズベキスタン・ツアーに、覆面作家を伴ったベリーズの遺跡旅行、鬱ぎ込む客だらけのエチオピア、エルタ・アレの火山…。問題を抱えたお客様を連れてのミステリーツアーを耕介は乗り切れるのか?気鋭の作家が送る新感覚お仕事小説!
著者等紹介
小前亮[コマエリョウ]
1976年島根県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に『李世民』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
165
この作品で、本当に秘境だと思ったのはベリーズの遺跡とエチオピアの火山かな。ウズベキスタン編とインド編は秘境とはいえないけど、この2編に関しては登場人物の心が秘境なのかもしれないですね。スマホで遺跡を検索しながら読んだから、けっこう読むのに時間がかかりました。そのせいか旅行した気分を味わいながら読めました。それにしても添乗員さんは大変な仕事だね。秘境でなくていいから、久しぶりに海外旅行に行きたくなるわ。海外旅行に行く際は、耕介のような添乗員さんだと嬉しいな。2020/01/13
ジュール リブレ
37
出張含めて旅の多い生活なんだけど、ツアーでの海外旅行は数えるほど。朝の東京駅の添乗員さんの、集合だけなのに大変そうな姿を見てると。。。秘境専門の旅行代理店の、その中でも問題あるツアー専門の添乗員さん。まずはウズベキスタンツアーからスタート。ベリーズ、エチオピア、インドと4作。タージマハルだけは行ったことあったけど他は未踏。世界は広いなー。全部のツアー、参加したくなりました。ブルーホール、大地溝帯の火山、鍾乳洞。モザイクの寺院。アジャンタ、エローラの遺跡。まずは、どこに行けるかな?2019/08/29
香翠
35
自由に旅行など行けそうにないなぁ〜せめて物語の中くらいは旅を楽しみたい。そんな思いから読み始めたのですが、秘境専門ツアーだけのことはある。ネットで検索しつつ旅の気分を味わい、癖のある旅行者たちとミステリーを楽しむ。虫やら砂ぼこりやら、実際に現地へ赴けば文句タラタラだろうけれど、涼しい部屋で優雅に楽しむ分には最高のツアーでした。2021/08/27
がんも
18
添乗員もガイドもやってることは同じなのかと思ってました!スミマセン(^_^;)プロの添乗員国枝耕介が主人公のお仕事系小説、面白かったです。色んな参加目的があって集まったお客様を問題なく満足してもらうように、細心の注意と気を使って安全に旅を進めるのが仕事の添乗員さん、大変なお仕事です、秘境専門と言うことで取り敢えず場所をネット検索してから読み進めました、時間とお金があったら『エルタ・アレの火山』は是非見に行ってみたいです、面白かったので続編希望。2020/05/16
onasu
17
海外旅行ツアーの添乗員と言えばトラブルの宝庫だが、こちらの「プロテン(プロ添乗員=フリー)」国枝耕介の元には、如何にも難ありというツアーばかりが押し付けられ、とりあえず受けてしまう。 副題にある「秘境」、最もならでわは3編目。エチオピアの大地溝帯とは名称は知っていても、どんなところかは全く知らず、その光景の雄大さに圧倒される一方、客同士のトラブルはあくまでも俗人的でそのコントラストがおもしろい。 また、常連のツアー客が耕助の手の回らないところというか、ストーリーをアシストさせているのもナイスキャスト。2023/09/28