内容説明
大正末期、彗星のごとく登場し、悲運の果てに若くして命を絶った天才童謡詩人・金子みすゞ。子どもたちの無垢な世界や、自然や宇宙の成り立ちをやさしい詩の言葉に託し、大切な心のありかを歌った全百篇を収録。目に見えない「やさしさ」や「心」を、もう一度見つめ直すための一冊。新装改訂版。
目次
大漁
花の名まえ
小さなうたがい
わらい
星とたんぽぽ
夢から夢を
仙崎八景
積った雪
著者等紹介
金子みすゞ[カネコミスズ]
1903‐1930年。山口県長門市に生まれる。西條八十らに称賛されたが、26歳で自殺。半世紀を経て発掘・再評価され、『金子みすゞ全集』(JULA出版局)などが刊行される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shun
31
初読みの詩人・金子みすゞさんによる詩集。大正期に創作をされた女性詩人である作者は26歳という若さで自殺されており、それまでの生涯を知るとなんと哀しく、そして子を想う母親としてのなんて立派な気概かと感じます。そんな彼女の生み出す詩を読んでいると、自然に対する畏敬の念や慈しみの眼差しを感じるようでした。道端の草花、そして空や海の生き物に対する偏りのない作者の視点は天性のものか、ふとセンス・オブ・ワンダーという観念が浮かびます。詩によって自然本来の姿と出会い、こちらの濁った心が浄化されるような心地になりました。2021/12/07
ロビン
17
1903年山口に生まれ、29歳の若さで自死した天才詩人・金子みすゞの童謡集。「泥のなかから蓮が咲く。/それをするのは蓮じゃない。/卵のなかから鶏が出る。/それをするのは鶏じゃない。/それに私は気がついた。/それも私のせいじゃない。」ーでは、どんな「力」が「それ」をするのだろうか?ー詩人のまなざしはいのちの、自己という存在の謎を、不可思議さを、絶妙の表現でうたう。桜咲き誇る美しいこの季節、美しいけれどつかのまに散りゆく寂しさも同時に感じるこの季節にふさわしい、花と風のような詩集を読むことができたように思う。2021/03/31
ミワ
14
息子の本棚から拝借。一緒に行った池袋の梟書茶房で息子が買った一冊。「みんな違ってみんないい」しか知らなかったので読んでみた。 「露」「井戸ばた」が好き。2025/07/18
ふーま
4
大好きなテレビ番組「100分de名著」の金子みすゞさん特集を観たことをキッカケに、元々積読していたこの一冊を良い機会だと思い読むことにしました。既にみすゞさんの生い立ちや詩の感性について等を100分de名著を観ることにより少し予習した状態での読書。タイミング的にベストでした。こういう読書の仕方もめっちゃおもしろい・・・!みすゞさん自身の人生についてを想うと切なく感じる作品もありましたが、深く知れて良かった。小学生の頃学んだ教科書のページの外側を知れたような感覚になりました✨とても良い読書体験ができました✨2022/01/23
猫柳
1
お魚は何もしていないのに人間に食べられる…。子どもに向けた詩と言うより、子どもの感性のつぶやきのような言葉。ハッとしたりグッときたりしみじみしたり、ちょっと難解なものも。金子みすゞの最期は知っていたけれど、解説で改めて読むと辛い。悲しいし悔しいし時代のバカヤロウやしで泣けてくる。無念。この天才が筆を絶ったとき、そのエネルギーは愛娘に向けられたのだと思われる。子を護るために命を断つとはどれほどの苦しみか。お魚は何もしていないのに人間に取って食べられる。死生観が揺らいでいく。2025/07/03
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