出版社内容情報
和久田正明[ワクダマサアキ]
著・文・その他
内容説明
間抜けた馬面の同心・布引左内は、容貌に似た仕事っぷりで、世間では『昼行燈』で通る四十男だ。美人で気が強い妻の田鶴に頭が上がらず、長男の坊太郎と慎ましい生活を送っている。だがそれは仮の姿。彼には中西派一刀流皆伝の腕で、法で裁けぬ悪人を斬る影の本性があった。ある時、左内たちに御金蔵破りをした「大鴉の弥蔵」の探索が命じられる。昼行燈ぶりから同僚より蔑まれながら、左内は下っ引きの娘で知恵者のお雀らの協力により、かつて弥蔵の女で、現在は坊太郎の通う寺子屋の師匠をしている浜路にたどり着く…。傑作捕物帖の開幕!
著者等紹介
和久田正明[ワクダマサアキ]
1945年静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を数多く手がけた後、現在では時代小説の執筆に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
84
布引左内影御用「昼行燈」1巻。北町奉行所定町廻り同心、間抜けに見える馬面通称「昼行灯」表の顔と裏の貌を持つ布引左内、必殺仕事人中村主水を思い出します、痛快で面白ですね。2019/07/31
真理そら
23
しっかりものの嫁さんに頭が上がらない、馬面でどこか間が抜けて見える昼行燈と周囲から思われている定町廻り同心・布引左内には実は裏の顔があり…これはたぶん必殺シリーズの藤田まことさんへのオマージュ。息子の坊太郎や足の悪いお雀ちゃんも魅力的なキャラなので次作が待ち遠しい。2019/03/19
デジ姫
11
次回作が待ち遠しいシリーズがまた増えた。恐妻家で昼行燈、息子との関係も良好の佐内。手先を務める音吉、感働きのお雀、次回には大鴉の弥蔵もお仲間入りか?2019/04/29
陽ちゃん
6
奉行所では昼行灯で通している左内ですが、裏では許せないと思った悪党を人知れず闇に葬っています。これまでは左内単独で始末をしていたようですが、元手先の娘で捕り物の勘に優れたお雀に感付かれていますし、今回の事件で御金蔵破りの濡れ衣を着せられた大鴉の弥蔵と手を組んで黒幕を倒しているので、これからは彼らが仲間になるのでしょうかね。与力の家から妻に迎えた田鶴に対する左内の接し方が極端すぎてちょっと違和感を覚えますが、万事うまくいくなら、これでいいのかな。2019/05/31
夏月
4
設定的に中村主水を思い出すが、より人間臭いと言おうか、悪に対する想いがなければ、ただの辻斬りだよなぁ。昼行燈、探索時、夜、家庭、といくつもの顔を持つ左内、どれも本当でどれも嘘なのかもしれない。頭脳としてのお雀、手足としての弥蔵になるのかな。次作も読もう。2019/11/20