内容説明
甲賀の忍びあがりの土豪、滝川久助は、男の陰謀で父を失い、兄を殺め出奔。久助は名を一益と改め、諸国を放浪中に織田信長と運命的な出会いをする。一益は、射撃や忍びの腕だけでなく、武将としても力をつけ、信長の寵臣として存在を大きくしていく。天下への道を着々と進んでいく信長だったが、天正十年(一五八二)、家臣・明智光秀の突然の謀反によって斃れてしまう―。一益を頼みとする若き前田慶次郎、伝説の忍者・飛び加藤といった魅力的な脇役も登場。謎多き武将、滝川一益の波乱に満ちた生涯を描く。選考委員が大絶賛した、第九回角川春樹小説賞受賞作。待望の文庫化!!
著者等紹介
佐々木功[ササキコウ]
大分県大分市出身。東京郊外に育つ。早稲田大学第一文学部卒業後、一般企業勤務。生来の歴史小説好きが高じて、歴史小説を執筆するに至る。『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』で第9回角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たいぱぱ
58
さらば地球よ~♪ではなく、かっけー!カッコ良すぎだよ!滝川一益~!一時期、近隣の支配者だったので名前は知ってた滝川くん。謎に包まれた半生を上手く利用して、想像を膨らまし、歴史小説ならではの極上エンタメに仕上がってます。信長が唯一、心を許してる設定には笑いましたが、前田[花の]慶次郎と共に戦うラストの合戦シーンは、男気が伝染して、読んでる僕まで気合いがみなぎってました。あ~楽しかった!!2019/08/19
如水
28
滝川一益…織田六軍団長にして『進むも退くも滝川』と言われた名将です。実は出自は不明💧甲賀忍者だったとか、博打でやらかして親から勘当されたとか😅ここでは甲賀忍者説を取っていて、忍びの世界で飽き飽きしていた所に変事が起こり浪人へ。そして織田信長に出会い出世街道まっしぐら!!…と言う話で有れば痛快伝ですが、そんな話では無い。淡々と仕事をこなしている様には見えますが悩み考え成果を出す、そんな人間臭さを全体的に醸し出した一益像でした。口癖の『人の世の底を見たい』…では知り得る地位に上り詰めた一益の答えとは?2019/05/01
onasu
18
著者の作品を眺めた折りに、信長の家臣団でも滝川一益とは珍しいと興味を覚えた作品で、甲賀の出身ということで一益を始め忍者を絡めているのもおもしろく読めた。 ただ、甲賀を出奔した後に信長と出会うまでとか、要は記録がないところだが割愛されているのは今ひとつ。自分としては、漂流譚が好きなのだが、そこまでは期待し過ぎか? 上州より引く折には、(戦の意味が分からんが)北条と一戦交えたというのは知識としては拾いもの。信長の家臣団でも、同じく出自不明な秀吉に敵視させていたのは、珍しくはないが、いい配役だった。2020/10/30
tako_machida
7
信長家臣の中であまり目立たず、ちょっと憐れな印象の滝川一益ですが、ホントにこんな人物であってほしいと思わせてくれる内容でした。かっこ良くて面白かったです!2019/05/27
権三郎
6
織田の重臣として活躍しながら、出自や最後をよく知らない滝川一益が主人公。楽しんで読みました。2019/03/24