出版社内容情報
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
著・文・その他
内容説明
海老フライ、大根バター醤油、餡かけの茶碗蒸し、ニラ玉豆腐、ホウレン草と豚バラの酒鍋、焼きそば…。姑の一子と嫁の二三に、今や大きな戦力となった万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客の笑顔がいっぱい。そんなある日、二三の娘・要が、最近毎日のようにランチに現れる男性を見て「四和ビル爆破事件の逃亡犯に、そつくり」だと言う…。心も身体も幸せになる、続々重版の大人気人情食堂シリーズ、第五弾。文庫オリジナル。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1958年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。会社勤めをしながら松竹シナリオ研究所でドラマ脚本のプロット作成を手掛ける。2007年『邪剣始末』でデビュー。13年、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら執筆した『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
372
万里の料理を通して成長する姿は、読んでて心地よいですね。康平さんの酒のチョイスもいい。而今が出てくるとは!飲みたいなあ。自分が飲んだ日本酒が出てくると、ついニヤッとしちゃいますね。時代の波に逆らわず、柔軟に対応する『はじめ食堂』は閉店してほしくないですね。それにしても今作はレシピを見て作りたい料理がいっぱいありました。2019/02/04
mura_海竜
208
真夏の焼きそば含む、短編5編。流れるように読むことできた。季節は真夏から晩秋へ。はじめ食堂、美味しい食事、夜はお酒と肴。「匂いが鼻腔をくすぐる」。作家・イラストレーターなど有名人が来る(実在でない)。焼きそば好きで手に取った。メューが多すぎて目移り、さりげなく各編の酒屋康平の薦める日本酒に注目、楽しみでした。「過ぎし日のかぶら蒸し」は涙系。カレー豆腐作りたいし、タンポポオムライス食べてみたい。巻末レシピと食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス。読友さんのレビューで手に取った。2020/03/31
ゆのん
197
【食堂のおばちゃんシリーズ5作目】今回も美味しそうなメニュー盛り沢山。新たなお客さんも増えてきて今後が楽しみなシリーズ。ちょっとサスペンス的な話や、国際色豊かな話、シリーズ2作目にかかってくる話などなど。万里の将来も楽しみだ。332019/01/27
KAZOO
180
山口さんの「食堂のおばちゃん」シリーズ5作目です。5つの話が入っていますが、物語としては若干結末が尻切れトンボみたいな感じがするものがあります。ただ私はここに出てくる食べものやそのレシピをいつも感心して読むのを止められません。世の中の流れに適応してワンコインメニューやおにぎりも登場します。ここの主人公3人の性格や常連のお客さんもみないい人たちばかりです。2019/02/11
蒼
163
夏祭りの屋台の焼きそばはなぜ美味しいんだろう? たくさんのキャベツやお肉がたっぷりというわけではないのに、と思いながら読み始めて一気に読了。万里君がどんどんどんどんパワーアップして、はじめ食堂のぶっとい屋台骨になっている様子がなんとも頼もしい反面、いつか彼が独立して抜けていってしまうんじゃないかと、つい取り越し苦労をしてしまう。一子おばあちゃんがいつまでも元気で二三と万里3人で、常連さん達と食堂にやって来る人達に美味しい幸せを提供し続けてくれます様にと思いながらページを閉じた。2019/04/09