内容説明
御坂嘉晃はドラフト三位でプロ入りして八年目の三十歳。自己ワースト記録を更新し二軍落ちを言い渡された。代わりに一軍入りした二年目の上杉は、打撃はいいが守備は下手らしい―。そんな中、御坂は二軍コーチの西内から外野をやってみないかと打診され…(「コンバート」より)。コンバート、怪我、フォームの改造、引退勧告など、野球選手には常に様々な問題が降りかかる。それぞれのポジションの選手が直面する苦悩、決断、友情など、心の機微が胸に響く、ヒューマン野球短編集。
著者等紹介
柴田よしき[シバタヨシキ]
東京生まれ。1995年に『RIKO―永遠の女神―』で横溝正史ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
189
プロ野球選手の岐路にまつわる5編からの短編集!コンバート、背番号の変更、現役か引退か…己のプライドをかけて生き残ろうとする姿は、プロ野球界の厳しさがひしひしと伝わりました。それこそタイトルの通り、チェンジでした。その一方で選手を支える奥さん、彼女、仲間がなんとも味が良くて読んでて心地がいいです。仕事は違いますが、自分が仕事を頑張るために何かヒントをくれ、そして前向きに進みたくなりました。これから自分に人生の転機というものがあれば、その人生の転機を楽しみたいと思いますね。2018/11/25
いつでも母さん
176
くぅ~!こういうの好きです。好きな作家・柴田よしきが描く野球短編集。5話どれも好い。一人一人その人生では主人公・・だけどどこかで現役にピリオドを打つ時があったり、自分や相手との駆け引きがあったり、違う道を選ぶことがあったりするのがプロの世界。そして得難い人との出会いや友がいる。一生表舞台で輝ける者などいない。だから今が輝く。どんな選択をしてもだ。2018/08/09
みかん🍊
104
野球選手が主人公の5編の短編集、試合がメインでなく選手たちの妻や恋人との関係やコンバート、背番号、引退、フォームなどチェンジすることへ葛藤や悩みが描かれている、選手生命は決して長くはない毎年選手が続けられるか才能ある者たちの集団の中で1軍でレギュラーを張れるか厳しい世界に生きている、いろいろあるが最後は希望ある読後感のいい作品でした。2018/08/28
よむよむ
102
プロ野球界に入れるのは一握りの人たちだ。とても華やかな世界に見えるが、選手時代は同じように才能ある人たちと一軍レギュラー争いに鎬を削り、怪我や体の限界に不安を抱え悩みも尽きない。そんなプロ野球界に身を置く、5人の物語。今年のペナントレースも残りわずかとなり、応援しているチームは二年連続Bクラスと哀しい結果のこの時に、野球選手あるあるのような身につまされる話に鼻の奥がつんとした。物語の選手たちは悩んだ末、今の状況を変える為に今できることを始めていく。その姿がまぶしく、私もまた来季を楽しみに待とうと思った2018/10/03
papako
78
読みたいと思ってたら出会えた!渋い野球選手小説でした。私は結果のわからないスポーツ観戦が苦手。ハラハラするから。漫画やアニメでも結果調べてから見るほど。今はいつも聴いてるFMがめちゃくちゃDeNA推しなので、結果に一喜一憂。そんな私でも楽しく読めました。野球選手って才能があっても選手生命は短いし、活躍の場も限られる。いろんな岐路に立つ選手たちの話に揺さぶられました。『やり残したこと』『友』が好き。柴田さんの野球選手への目線、素敵でした。2020/09/22
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