内容説明
かつての仕事仲間であった山崎進一が忽然と姿を消した。波崎了は自分を裏切り行方をくらませた山崎を追っているうちに、この街にある「ムーン・トラベル」というツアー会社に、山崎の妻が勤めている事を突き止める。そこで「ソルティ」と呼ばれる危険な匂いがする若月真一郎と出会った―。一度は友人とさえ信じた山崎がなぜ裏切ったのか真相を確かめる。その為なら死をも恐れない。自分の信念だけで動く波崎を中心に、周囲を巻き込んだ抗争がはじまった。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
116
また死を恐れず、いや死にたがる男がやってきた。その男の名は波崎了。仕事仲間であった山崎を探しにやってきた。山崎がなぜ裏切っのか、その真相を確かめるために探すのだが、事は次第に大きくなり抗争に巻き込まれる。そこには当然のようにソルティこと若月も。いや、ソルティだけではない。須田も巻き込まれ、死を恐れずに抗争の真っ只中に挑む激しい戦いが始まった。読んで俺は思う。信念や矜持を貫くのはいいが、誰も死ぬなと。どうか無事であってくれと。いつも以上に手に汗を握る展開だった。2025/05/12
優希
42
謎の失踪事件かと思わされました。忽然と姿を消した山崎。浜崎は自分を裏切り、姿を消したという事実を追っていくことで行き着いた勤め先の危険な匂い。自分の信念で動く抗争劇に引き込まれました。2022/06/27
サン
13
約束の街シリーズ2冊目で、新装丁ブラディドールシリーズ12冊目。舞台はS市の隣街。仕事で裏切られた友人を探しにきた波崎。探し人はトラブルの中心で、他にも追手がいた。このシリーズは巻ごとに視点が変わるので、面白いです。前作の主人公ソルティが波崎に語られるところとか、水村、須田の印象も変わる。しかし、波崎は好きになれない人物だった。2018/09/07
白きゅまⅢ
12
『ブラディ・ドール』シリーズ第12巻。シリーズ特有の、巻ごとに主人公が変わるスタイルは、踏襲されていて、本書以降にどんなキャラクターが現れるのか?非常に楽しみです♪今回は、自分を裏切ったかつての友人を探しに、S市の隣街にやって来た波崎の話し。個人的には、作家である群秋生のとてつもない深い哀しみを垣間見れて、ちょっぴり彼を好きになりました!波崎は少し気に入らないキャラクターですが、小野玲子とのやり取りは、結構楽しかったです。続けて次巻に進みます!★★★☆☆2019/10/11
フク
9
#読了 カレラ乗りの波崎がある男を追ってS市へやってくる。 S市の底に潜っている一族の謎が徐々に明るみに出る。 図書館2024/03/08