内容説明
香港。この地には、観光客を標的に窃盗する『スリ』、その盗品を売りさばく『露店』、出回った盗品を探し出し、持ち主から手数料を得る『回収』とそれぞれグループが存在し、そこには三者共存の掟があった。ある日、回収側の人間である劉巨明が、何者かによって殺害された。仲間であった新田悟は、巨明の妻からあるメモを渡された。メモには巨明の文字で「任家英に気を付けろ」と謎のメッセージが残されていた。そして新田は、香港の闇社会に渦巻く悲しみの深淵に巻き込まれていく―。
著者等紹介
池田久輝[イケダヒサキ]
1972年京都府生まれ。同志社大学法学部卒。2013年『晩夏光』で第5回角川春樹小説賞を受賞しデビュー。17年「影」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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