内容説明
雇い主・両替商分銅屋の持ち長屋に住まう用心棒・諫山左馬介。つとめ明けで部屋に戻ると、同じ長屋で柳橋芸者として生活する女お庭番・村垣伊勢から声がかかった。田沼意次の幕政改革を察知した目付が、札差の加賀屋を訪ねたという。将軍家重から田沼への手出しを禁じられ歯噛みする目付と札差が組むとなれば、狙いは田沼と通じている分銅屋か。襲撃に備える分銅屋に、そわそわする左馬介―。武士と商人の矜持がぶつかる大注目シリーズ第五作!
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業、歯科医師。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第16回中山義秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
85
日雇い浪人生活録5作目 2018.05発行。字の大きさは…小。 浪人・諫山左馬介を通して江戸時代後期の「金(かね)」について書いた物語です。 加賀屋が向ける刺客が、次々に用心棒の諫山、田沼意次に命じられた御庭番によって殺されて、加賀屋は手駒が無くなります。 その襲撃で諫山は、加賀屋の手先の合口で傷を受け長屋で寝ている傍で、美人の分銅屋の上女中・喜代と、長屋隣人で人気の芸者の加壽美(御庭番・村垣伊勢)が、私がお世話すると争い、好かれるのも大変です。🌿続く→2020/11/16
蕭白
10
再読だけど、面白いです。二人の女性に困惑する主人公の人間臭さがいいです。2020/09/11
蕭白
10
ゆっくりとした展開だが、読みやすいです。2018/09/30
黒豆
9
主人公 左馬介と分銅屋仁左衛門の性格設定が絶妙かつ絡む二人の女性(加壽美と喜代)が話を面白くしている。次巻も楽しみ。2018/06/20
わたしは元気
7
左馬助が、もう少し強ければ、面白いのに。 その分、お庭番の加壽美さんの強さが引き立ちますね。2021/02/02