内容説明
竜蔵の昔なじみが辻斬りに殺された。ときを同じく、峡道場のある芝・三田界隈で不審な輩がうろついているとの噂を聞いた竜蔵は、門人たちに稽古の行き帰りには近所を見廻るよう告げる。そんななか、道場で師範代に次ぐ腕を誇る壮介が、浪人風の何者かに襲われた。男は同等に立ち合い、竜蔵への挨拶代わりだと言い残して去ったという。じわじわと竜蔵に迫る不穏な影。狙いはいったい…?大人気シリーズ、緊迫の第八弾。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。その後フリーとなり、『水戸黄門』『必殺事件人』などのテレビ時代劇の脚本を手掛け、数多くの舞台作品にて脚本家・演出家として活躍する。2010年小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
102
新 剣客太平記「哀歌」8巻。竜蔵さん一段と人物が出来てきましたね安定感抜群しかも読書後スッキリ良いですね、しかし母上様にまだまだ及びませんね一本取られたましたね。2018/03/28
ドナルド@灯れ松明の火
12
完結に向けて短編から中編化?昔馴染みが切られその犯人を追い詰めていく。2020/08/22
chacha
11
新シリーズ8竜蔵を狙う相手がみえず、迫りくるかんじ。その中にあって、道場界隈の治安につとめる。「手代」が良かったかな。誉めて伸ばす。竜蔵も弟子をもつようになり人の扱いも教え方も上手くなった。母の志津は肝がすわってますね。剣客の妻、母だけあります。敵の正体が思わぬ者で。人というものはわからぬもの。どこで嫉妬されるやら。2022/02/01
ニッキー
11
なかなか、味あい深い卷でした。 気になる視点が、門弟の雷太から酒屋の手代へと移って行く様を描いている。そして、昔道場で下働きをしていた男に狙われて、老母の思いを知る事になる。 男の嫉妬も女のそれと同じように根深いものかもしれない。 笑って済ます余裕が今の世の中にはないのだろうか。 イジメ事件、パワハラ共に根は同じような。頭の中でしか考えなくなった世の中は、人の付き合い方を忘れてる。2019/02/16
Totchang
11
おどろおどろしいような表紙の絵。今にも鯉口を切ろうとする場面の空にはカラスも舞っているではありませんか。2018/10/24