内容説明
東京の高校で教師をしている西尾正人は、家出した教え子の高岸を連れ戻すため、N市にやって来た。高岸は将来を嘱望されたラグビー選手だったにもかかわらず、傷害事件を起こし行方をくらませた。手掛かりを探す西尾は、突然二人の男に襲われたが、この街にある酒場「ブラディ・ドール」の下村に助けられた。その後、高岸が暴力団に雇われ、ある命令を受けていた事実を突き止める―。大人気シリーズ待望の第九弾!!
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
147
またN市に男が導かれるようにやってきた。当然のように厄介事をひっさげて。男の名は教師の西尾正人。川中に走り屋と言わせるほどの車の運転の腕の持ち主。その西尾が生徒の高岸を地元に連れ帰るためにやってきたが、無自覚の厄介事となり、川中も巻き込まれる。さすが川中、相変わらずの巻き込まれ体質。下村と坂井のコンビの危険を感じ川中を守る。敵は美竜会。この抗争にキドニーも渋い働きだ。俺は北方水滸伝の現代版を見せられているのか。男とは何ぞやと問われてる気がする。その答えが本作に正解がいくつもあるように思えた。2024/12/31
KAZOO
92
このシリーズ9冊目です。今回は高校の先生が、生徒を探しにやってきます。車の運転以外は普通の感じで何でそこまでして生徒を探すのかがよくわかりませんでした。様々な事情があったり、この地の暴力団や悪役との絡みがあったりします。それでも最後はいつもの決まりのような感じで犠牲者が出ます。ハードボイルドですね。2018/10/27
おしゃべりメガネ
78
シリーズ第9弾でいよいよ次作が第1シーズンラストに。過去作に登場したキャラを上手に器用する北方さんの手腕が楽しくて仕方ありません。シリーズ序盤から登場してる「坂井」はバーテン兼ボディガード兼ドライバーとして、しっかりと地位を築いてますし、「下村」も「坂井」の相棒としてフロアマネージャーを任されています。さて、本作の主人公は過去作にはちょっといない教師「西尾」とその教え子「高岸」になります。本シリーズにはちょっと珍しく、北方さんなりの青春雰囲気が綴られています。過去作のおじさん達もなんだかんだと健在です。2024/09/19
サン
14
ブラディドールシリーズ9冊目。家出した教え子を連れ戻しにきた高校教師の西尾。大河内や美竜会など絡んで、次巻へ繋ぐ不穏な様子を匂わせる。表紙を見て驚いた。そういえば、眼鏡早速無くしてずっとサングラスかけていたんだ、ということに気づいた。夜もかけてたのか…?2018/08/28
しゅえ
10
BD第9弾。表紙誰やねん。主人公の西尾は普通に生きてきたただの高校教師で、N市に来てしまったがために男として花開いた男。普通っぽいところが魅力なのに、表紙絵がEX●LE風でイメージと違いすぎた。サングラスが悪いのか?残念。さておき、今回初めてキドニーに好印象を抱いた。「ランニングシャツ」の衝撃で(笑)。キドニーってば10代の女の子が着ていたタンクトップを「ランニングシャツ」呼びなのよ(笑)。しかも「着るな」と直接言えなくて坂井を呼び出すという可愛さ。尊大で皮肉屋なのにおじさん感丸出しで、声だして笑った。2018/12/05