内容説明
小さな出版社の営業として働く折川イズミは、山手線の車内で自社の新刊を熱心に読む男性に気づく。その翌日、五反田駅のホームで歩きスマホの女性が何者かに押され転倒する事件が。怪我人が出たものの、犯人は分からずじまい。目撃したイズミは真相が気になって…。一方、和泉怜史は三十五歳で会社を退職して以来、毎日山手線内で読書するのが日課という変わり者。彼もまた、五反田駅の事件に居合わせていた。正義感の強いイズミと、ひねくれ者の和泉。二人が出会う事件の数々―。書き下ろし。
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ。ミネソタ大学卒業。カナダ・バンクーバー在住。五大銀行のひとつで内部監査員を務める。2012年『鈴の神さま』(ポプラ社)でデビュー。また同年、『妖国の剣士』で第四回角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
165
山手線を舞台にした日常ミステリーというよりは、恋愛小説に近いかな。出てくる主要登場人物は本好きなのは嬉しいんですが、うーん、読んで好き嫌いが出る作品のような気がします。個人的には和泉と折川のやりとりに、楽しく読めましたが、あっさりした感じもして物足りなさも感じました。続編が出そうな気配はありますので、続編で期待したいですね。とりあえずナポリタンと蕎麦は食べたくなりました。2018/03/29
みかん🍊
107
山手線内で起こる日常謎解きミステリー歩きスマホや痴漢や掏りなど話としては面白かったが、どうも主人公が好きになれず、これが大学生のくらいの正義感が強く面倒でずうずうしい後輩とあしらう捻くれ者の先輩という設定ならアリかと思うがいい年した三十代、四十代の大人の男女としてはいらいらしてせっかくのストーリーを邪魔していた感じ、脇の後輩や喫茶店のマスターの方がいいキャラだった。2018/03/08
takaC
89
えっ!?これでおしまい?そのうち続編が出るということなんだろうか。山手線と銘打ってるけどあまり意味ないし。冒頭の路線図に至っては田端が田畑だし。ちなみに本編には田端は出てきませんでした。2018/03/11
へくとぱすかる
87
ミステリらしさを抑えて、折川イズミと和泉怜史とが事件を解決していく過程で、イズミの失恋からの回復を描くのが、作者の意図なのかな、と思った。小岩井さん、榊さんもカップルになるのかな? 「山手線探偵」シリーズよりも、さらに深く山手線が舞台となっているので、読み終わって、次のシリーズを求めていた私には最適だった。2冊目も出ているようなので読んでみたい。2019/05/11
ゆう
41
山手線の3つの謎。五反田・高田馬場・上野駅での出来事だったけど3つだけじゃ物足りない~もう少し読みたいって思った。五反田駅のはそれはやりすぎって思うけど気持ちは分かる。危ないって!というかマナーとしてさぁ…ってよく思うもの。自分もやらなようにしてるけどたまにやっちゃうんだよなぁ。今後はさらに気を付けよう。ただ主人公がどうも好きになれなかった。ごめんよイズミちゃん。でも他のキャラは好き。続編が出るなら読みます。2018/01/26
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