内容説明
家康が幕府を開いて三年目の慶長十一年。江戸はかつてない賑わいにあった。傾城屋(遊郭)の五位鷺太夫は江戸で三本の指に入る美人の売れっ妓である。その妹女郎の雀はまだ客をとらず、もっぱら五位鷺の身の回りの世話をしている。ある日、呉服屋の主が辻斬りに殺められた。五位鷺は雀に事件を調べるよう命じる。五位鷺は、年寄や奉行が事件について話し合う寄合や奉行が事件について話し合う寄合衆にお茶汲みとして参加し、そこで自分の推当(推理)を披露することで、実力者に気に入られようと企てていたのだ。遊女が市井の事件を探索、推理する痛快な物語!
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年岩手県生まれ。大阪芸術大学卒業後、岩手県内の美術教師となる。2000年6月、『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス刊)で作家デビュー。同年、長篇SF『エリ・エリ』で第1回小松左京賞を受賞。2014年、「風の王国」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
75
きっつーい性格の花魁・五位鷺と、見習い遊女の雀が辻斬り事件の謎を推し当てる。頭の回転が早い雀が、岡っ引きやお奉行、果てはあのビッグネームまでを味方につけての探偵ぶり。まだ吉原ができる前の遊廓って、意外と自由があったようだ。郭ものだけど濡れ場は一切無し。あと半分謎が残ってるので、早く次巻を出してほしい。2019/04/04
み
27
さくさくと♪性格のキツイ太夫って、余り読んだことないような、彼女のキャラも、雀も周りの男子達も好みのキャラで、お話しの謎解きもふふ〜むと楽しめました。真相は楽しめるものじゃないけど^^;シリーズ化して欲しいです。2018/01/11
baba
25
自由な雰囲気が残る江戸初期の遊里できつい物言いながら頭脳派キャラの太夫、五位鷺と雀の対比が面白く「でんでら国」以来ファンの平谷さん新作に興味深々。謎解きに街歩き、続きはあるのか。2018/01/07
ごへいもち
11
続刊希望2023/08/25
真理そら
10
まだ開放的だった時代の江戸の遊里を舞台に五位鷺と妹女郎雀が推理する物語。五位鷺のきつい性格が面白い。五位鷺のインチキ京言葉がバレないようにと雀が廓言葉を考えたり、鬱々とした服部半蔵が登場したり初期の江戸の状況が楽しい。次巻が待ち遠しい(シリーズ物じゃないかもしれないけど)2018/01/02