内容説明
母を亡くし、生涯共にと誓った颯太とも生き別れて、おいちがひとりで過ごす二度目の秋。本郷丸山の歌占師・戸田露寒軒を手伝いながら、自らも代筆屋の看板をあげるおいちのところに、犬猿の仲の従姉・お菊がやってきた。それをきっかけに、おいちは二度と帰ることはないと思っていた故郷を訪ねることとなる。一方、露寒軒宅に颯太の姉・七重が訪ねてくる。恋しい人との再会を期待するおいちだったが…。文によって人と人との縁を結んできたおいちは、自らが望む縁をたぐりよせられるのか―大好評時代小説、シリーズ完結。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
33
照月堂シリーズからゲストを迎えた冒頭、ナイスサービス!こういうの好きだわ。本編は最終巻なので、今までおいちが関わって来た人々の絡まった糸がほどけていく。ほとんどの人々が収まるところに収まる。物語はめでたしではあるんだけど、どうも駆け足な感じがして仕方なかった。好きなシリーズだったので、この結末を2巻位に分けても良かったのでは。と思った。とはいえ、満足だった。2021/11/02
kagetrasama-aoi(葵・橘)
32
「代書屋おいち」第四作目。颯太の姉の七重にどうしても感情移入出来なくて。ハラハラしたりイライラしたり❗️かたや、露寒軒は凄く魅力的な人物に描かれていて、この人の和歌と生涯をもっと知りたくなりました。おいちの代書屋という生業が中途半端に終わってしまった印象でした。2020/12/27
坂城 弥生
31
おいちが、今まで積み上げてきた人間関係が実を結ぶ形は良かったけど、もやもやした最後だった。2019/09/12
ごへいもち
28
お菊とおいちの会話が元気があって良いな。いろいろ気になる点はあって、そろそろ飽きてきたのでこれで完でちょうど良かった2023/11/22
あかつき号
13
完結編。いろいろ動き始めたら、一気呵成でハッピーエンド。 お菊の恋も描いてほしかったな。2017/04/12