出版社内容情報
「犬神家の一族」「セーラー服と機関銃」など、活字と映像、音楽とを組み合わせ、書籍と映画を同時に売り出す手法で、出版界や映画界の風雲児として一世を風靡した角川春樹。しかし、その輝かしい光の裏では、深い闇に包まれた壮絶な人生を送っていた。角川書店創業者である父との不和、両親の離婚。二年五ヵ月の刑務所暮らし。そして、弟との確執から角川書店の社長の座を追放される――。ひとりの風雲児が、どのようにして生まれ、挫折し、そこから這い上がったのかを綴った魂の一冊を文庫化。(解説・髙田郁)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
44
先月、角川春樹さんと今村翔吾さんの講演会に行った。今村翔吾さんの話しを聴きたくて行ったはずが、角川春樹さんのカリスマ性にやられたのが、この本を読むキッカケ。うん、想像以上にオレ様。こんなに何度も命の危険、社会的地位からの脱落の危機に遭ってるのに、今も尚、人を惹きつける魅力がある。『人間の証明』は、私が初めて原作より映画が面白いと思った作品。「読んでから観るか、観てから読むか」などのコピーも角川春樹氏によるものだという。すごい才能と商才。これからも右肩下がりの出版界を支えて欲しい。2024/12/07
緋莢
16
活字と映像、音楽を組み合わせ、書籍と映画を同時に売り出す「メディアミックス」を生み出し、行った事で、出版界や映画界の風雲児として一世を風靡した角川春樹。しかし、コカイン密輸事件で逮捕、その後、弟の歴彦に角川書店から追放されてしまう。保釈中に角川春樹事務所を設立し、今なお、多くの作品を出版する傍ら、俳人としても活動する角川春樹の激動の人生を綴る。2016/09/02
チェアー
13
うーむ。なんでいま、この本を文庫として改めて世に出すのだろう。おれさまは天才で神様。他の凡人や愚人たちとは違うんだ。天才として与えられた使命を果たすのだ。だから覚醒剤なんてチンケな罪なんだと。巻末の高田都の解説文では、近年は編集者として、ゲラを持って書店回りをしたりしているという。その姿をまとめた方がずっと共感を持ってもらえるのに。奇人を周囲が褒めちぎっていて、それも違和感大。自伝ならもっと普通に書き、周囲も是々非々で書くべき。そうしないと読者は信用しない。2017/04/19
0607xxx
8
タイトルもさることながら、想像以上の人物だった。圧倒的な個性を垣間見ることができ、楽しめた。「お返しと仕返しはお早めに」を見習いたいと思う(笑)2016/07/28
芋煮うどん
2
自分をここまで手放しで天才、と言えるなんて。ある意味すがすがしい。UFOとのやりとりは、なかなか読ませます。2022/12/19