内容説明
ブラックな教育系出版社に勤める柿下千春は、小説家の夢破れた三十一歳。ある日、高校時代の親友・田宮沙織とかつて交わした「お遍路に行こう」という約束に導かれるように、出勤とは逆方向の電車に飛び乗った。沙織とは、彼女が香川県高松に越してから、もう十年以上会っていない。お遍路に行って、生まれ変わろう。沙織に会いに行こう―。徳島に着き、四国八十八箇所霊場を巡るべく歩き始めた千春は、同い年の高松琴美に出会い…。実際に八十八箇所を巡った著者による、史上初(?)の本格お遍路長篇、ここに誕生!!
著者等紹介
又井健太[マタイケンタ]
1979年北海道生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。大手映像関連企業を10ヶ月で退社後、テレビドラマのAD、バーテンダー、アダルトビデオ制作、ホストなど20種近くの職業を経験。学生時代も含め、渡航したことのある国は47ヶ国におよぶ。2011年、全選考委員の圧倒的な支持を得て第3回角川春樹小説賞を受賞した『新小岩パラダイス』にて小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
198
読友さんからのオススメ作品で、作者さんは北海道出身とのことです。こういう作品って、フツーに自分のペースで読書しているとなかなか手にとらない作品なので、とても貴重な時間でした。ヒューマンものであり、少しミステリー要素も加わり、何よりもファンタジーテイストに仕上がっているところに作者さんの筆力レベルの高さを感じます。改めて「お遍路」のことも知ることができましたし、とても勉強になりました。やはりタイトルどおり、男性よりも女性が読むと、より楽しめる作品なんだろうなぁと感じました。他の作品も気になる作家さんですね。2017/05/16
しんごろ
152
【サイン本】女性達がお遍路する話!しんごろ的には当たりをひいた隠れた名作です!彼女等のお遍路道中記の中にちょっとしたミステリー要素もはいりこみ、愛媛編で涙腺が緩み、香川編では彼女等の無事にゴールしたらしたで、君もそうだったのかい?という、いい意味で裏切られる結末で、またウルウルしてしまいました(^^;)あくまでウルウル程度ですがね(笑)作家の又井建太さんは北海道出身!同じ道民として又井建太さんの他の作品も読みたくなりました(^-^)読むときのBGMにはアンジェラ・アキ、奥華子がいいかな(^^;)2016/09/04
ポチ
56
お遍路する人は皆、悲しみ、苦しみ、悩み、怒り、喪失感…などを背負ってお遍路しているんですね。自分がお遍路をしたら"かりそめの御霊"は現れてくれるのかなぁ?読友さん推薦の本。一気読みでした、ありがとうございました(^^)2016/09/28
ユザキ部長
51
こんなはずじゃなかった。予想や期待とかけ離れた現実があり、逃げ出した。やり直したいと思い、四国にきた一期一会。ふと知った、空海の教えは「自利利他」そして、道中で知った、「人生は野球と同じ。三割で丁度いい」「本気で夢を追いかけた人間が、夢をあきらめた時には、新たなチャンスが訪れる」心にそっと沁みる。2022/09/27
Akira
42
★★★ お遍路の予備知識がほぼ皆無なのと文体(?)が慣れないのもあって、最初は上手くイメージ出来なかった。 お遍路のガイドブックを購入し併読していって断然面白くなってきた。お遍路って修行僧のイメージがあったけど、こんなにたくさんの出会いがあるなら行ってみたくなった。琴美の正体にはびっくり。私にもかりそめの御霊現れてくれるかな。いつか挑戦してみよう2018/01/18