内容説明
岸峰子、三〇歳。シングルマザー。幸田生命女子陸上競技部所属。自己ベストは、二〇一二年の名古屋で出した二時間二四分一二秒。ロンドン五輪女子マラソン代表選出という栄誉を手に入れた彼女は、人生のピークに立っていた。だが、あるアクシデントによって辞退を余儀なくされてしまい…。そして今、二年以上のブランクを経て、復活へのラストチャンスを掴むため、リオ五輪を目指し闘い続ける。このままじゃ、次に進めないから―。一人の女性の強く切なく美しい人生を描く、感動の人間ドラマ。
著者等紹介
坂井希久子[サカイキクコ]
1977年和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。会社員を経て、プロ作家を志し上京。小説講座での研鑽を経て、2008年、「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三代目 びあだいまおう
275
まさに怒涛の一気読み!先日のMGC で密かに応援している鈴木亜由子さんの頑張りへの興奮冷めやらぬ中、駆け抜けるように読んだ。オリンピック直前に妊娠が発覚、代表辞退を余儀なくされた語り手の主人公、バッシングの嵐は想像以上でしかも消えない。それでも走ることを諦めたくない!針の筵を血だらけになって進むように懸命に努力を重ねる彼女を支えるコーチ、母と娘。そしてコーチと電話する誰か!給水ボトルに描かれた満月、そりゃ力になるよ!バサッと省略したかのような感動のラストには叫ばされた❗東京五輪マラソンが益々楽しみ‼️🙇2019/09/28
しんごろ
225
ブランクのあるシングルマザーのランナーがリオ五輪を目指す話!峰子は美人でもないし、性格もいいわけでもない、妬み、悩み、葛藤だらけ…。しかしリオ五輪を目指すぶれない姿には、一途な想いを感じました。峰子を支える小南監督、笹塚コーチ、母の順子の脇役陣のここぞの登場に、涙腺がついつい緩み、ラストは素敵でした。後輩の辻本皐月は天然だがいい娘だと思いますが、記者の山本百合子にムカムカしましたが、結局はいい人だったかな。久々に物語に感情移入するくらい面白かったです。2016/10/22
相田うえお
121
★★★★☆20047【ウィメンズマラソン (坂井 希久子さん)】とても面白かった〜!女子マラソンオリンピック代表になったものの、思わぬ事情により辞退しなければならなくなったアスリート岸峰子の再起に賭ける物語!もう、後半のレース部分は活字が鮮明な映像になってました。そして自分が走ってる様な気分になるんです。本作品、読んでるだけでカロリーをバーチャルに消費してしまう作品かも。それと、「アイトー!」(ファイトー!)という舌ったらずな子供の声援シーン、じーんときました。複雑な心の描き方も素晴らしい!オススメ〜!2020/04/26
ゴンゾウ@新潮部
106
今回も一気読みでした。坂井さんの取り上げるスポーツ選手は一流選手ではありません。欠点だらけです。でも競技を愛していて一途に取り組みます。だからこそ私たちに勇気をくれます。心の中で「岸選手がんばれ!」と叫んでいました。2023/06/16
takaC
78
自分は実践できなかったけど、通天閣→ウィメンズと読むのがいいみたい。2016/05/28