出版社内容情報
大学を卒業して入社した会社がすぐに倒産し、無職となってしまった名取司が、どこからともなく漂う珈琲の香りに誘われ、古書店『止まり木』に迷い込む。そこには、自らを魔法使いだと名乗る店主・亜門がいた。この魔法使いによると、『止まり木』は、本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れる不思議な古書店らしい。ひょんなことからこの古書店で働くことになった司だが、ある日、亜門の本当の正体を知ることになる――。切なくも、ちょっぴり愉快な、本と人で紡がれた心がホッとする物語。
内容説明
大学を卒業して入社した会社がすぐに倒産し、無職となってしまった名取司が、どこからともなく漂う珈琲の香りに誘われ、古書店『止まり木』に迷い込む。そこには、自らを魔法使いだと名乗る店主・亜門がいた。この魔法使いによると、『止まり木』は、本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れる不思議な古書店らしい。ひょんなことからこの古書店で働くことになった司だが、ある日、亜門の本当の正体を知ることになる。切なくも、ちょっぴり愉快な、本と人で紡がれた心がホッとする物語。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
261
シリーズ化されているようですね。その最初の1冊。店主の亜門さんが不思議すぎるが、その秘密は早くもこの本の巻末に登場(ここではネタバレできませんが)。一見異様な雰囲気の小説のように見えて、実は読み終わって、とてもほっこりとした気分になれる癒し系の物語。途方にくれていた司君を受け入れてくれた亜門さんとコーヒー。いいなあ。行ってみたいものです。幻の古書店へ!2017/10/31
Yunemo
252
何だか知らないうちに手に取った作品。古い本の匂いと珈琲の香り、多分にこのフレーズだけで。でも、ここの店主の魅力がジワリと胸に染む。誰であれ、心の葛藤があること、表向きこの葛藤を知られたくないこと、誰しも持つ意識でしょう。本作品の世界観には、なかなか馴染めないところもあり、躊躇するところ多し。そうは言っても、人との触れ合いという側面と作中で表現される名作に注目、と自身への仄かな訴えが身に染みます。本来なら、幻想的な暗いイメージを受け取るのでしょうが、如何せん優しすぎます。優しさに包まれてという感覚を大切に。2015/09/27
しんごろ
230
幻想の世界で、本と人が紡がれる。時には珈琲を飲みながらね。そうそう“珈琲”であって“コーヒー”ではダメなんですよ。珈琲がしっくりくる古書店なんですよ。亜門と珈琲を一緒に飲みながら、店主の亜門と一緒に本について語りあい、自伝(自身の物語)を作ってもらいましょう。ちなみに亜門は……これは言えねえな。心が和む穏やかな作品でした。コバルトも正体謎だし、舞台は神保町だし、一気にこのシリーズを制覇したくなりますね。2019/12/03
夢追人009
179
本の森・幻想古書店「止まり木」の店主・亜門と失業青年・名取司が縁を失くした不幸な人々を救う本好きには堪らない「本と人生」のファンタジー・シリーズ第1弾です。初めに店主の姓は宮本ではありません。本の森は読メ仲間にとってパラダイスでしょうし、名作が人の心の拠り所になるストーリーも共感できますね。第1話:ケストナー「飛ぶ教室」第2話:ホフマン「砂男」第3話:ルル―「オペラ座の怪人」やはり謎の店主・亜門の正体と悲恋物語を描く第3話が白眉で特にお奨めですね。尊大なビジュアル系青髪男コバルトの正体も気になりますよね。2018/11/09
hnzwd
129
古書店の店長がミステリアスな美男子で、ちょっと抜けた店員が半ば巻き込まれるように事件へ。。ってもうどこかでなんどか読んだことがあるような設定。サクッと気軽に読めるのですが、、もうこの感じの設定が巷に溢れてるので。。。登場人物にはかなりのBLっぽさを感じたり。2015/12/04