内容説明
ホラー作家としても強烈な個性を持つ三人の女性作家が集まった!病院で再会した女友だちが撮った写真に写るものは…「ひよみのとりおにをんな」(川奈まり子)、作家という職業に憧れて寄ってくる女たちの執念が巻き起こす不可解な出来事「生霊に脅える女」(花房観音)、飲み屋で聞いた二つの殺人がリンクする恐怖「消えた女の研究と消した女の実験」(岩井志麻子)など、心霊と狂気、妄想と現実のハザマで情念を絡める「女たち」の、怖くて不気味な実話系怪談集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
82
3人のちょっと癖のある女流作家たちによるホラーアンソロジー。バスガイドと運転手との話はバスガイドの経験を持つ花房観音さんだけにリアリティを感じる。川奈さんのカズヨちゃんの話は怖い。カズヨちゃんは同じ人?いったい何者?次第に家族のなかに入り込みいつの間にか浸食していくことが不気味。岩井志麻子さんは彼女らしい安定した不穏な空気をかもし出す。霊的なものより怖いのは女の恨み、情念だな。さらに花房さんの文章の中に「女には必ずいる。嫌いな仲良しが…」おおっ、言えてる、隠してはいるけど確かにいる。2019/08/04
あたびー
51
花房観音、川奈まり子、岩井志麻子の三女傑による実話怪談集…て事なんですが、川奈さんの話怖すぎるんですよ。これホントにあったんだったら困るなあ。だって川奈さん自身が体験した話ということなんで。花房さん、岩井さんの話しはどちらかと言うと「生きてるニンゲンコワイよ!」的な話が多かったです。2022/08/19
らすかる
43
花房観音、川奈まり子、岩井志麻子たちが織り成す実話系怪談集。花房さんのは怪談とゆうよりは赤裸々な暴露話かな?バスガイド花房の経験した男女のドロドロ劇。怖くはないけれどゴシップ的な面白さはある!川奈さんの「沸佛」は怖かったな~。得体のしれない怖さのカズヨちゃん!岩井さんのも花房さん同様、怖さより変な女のはなし。ゾクゾクする恐怖は少ないけれど、イヤな女たちの肌触りの悪い話がいっぱいでした。 2019/07/22
澤水月
29
岩井志麻子がやはりダントツ。ほかは1人えぐ〜い情念エッセイ、1人完全な創作小説。よくできているが実話「系」怪談なので注意。恋愛や夫婦関係に悩んで思いつめていたり情緒不安な時には進められない業深さ。しかし表紙は怪談社と見間違うし3著者の名があまりに薄く帯の平山新刊に見えるのは…般若は一般的だが並べ方…パケが残念でならない1冊2015/08/14
Yu。
27
霊的な、というよりも“人の怖さ”が全面に描かれた実話風怪談。。三者三様の個性が表れていてどれも飽きさせない‥ と言うのもそのはず、なんとバスガイド、元AV女優、痴女作家というジャンルの枠を超えた組み合わせが素晴らしいし、また肝心な文章自体も本物と遜色なく充分愉しませてくれます。。お気に入りは、知り合ったバスガイドさん達に共通するゾゾッとなプライベートな内容の影に潜むのは同じ男性という「ラブラブの女」。2017/02/12