感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
38
「私は没入型で、役者が演技するのと同じで『鬼平』を書くときは、鬼平になりきってしまう。(略)家内に言わせると、信長を書いている時は、信長風になっていばっている」そして、「主人公になりきる愉しみというのは作者でなければ味わえないものだろう」という作家としての素顔が垣間見えれば、劇作家・映画通・食通という池波さんの別の顔が見える楽しいエッセイでした2022/10/10
けやき
34
池波正太郎のエッセイ。やっぱりいいね。2016/07/26
ドナルド@灯れ松明の火
18
文庫本で再読でも新鮮である。池波さんのバックボーン・ポリシーがしっかり描かれている。 【以下単行本読了時のコメント】池波正太郎没後21周年を期して5月3日の命日に発行された未出版エッセイ。雑誌、新聞、公演パンフレットに発表されたまま埋もれていたエッセイだが、池波作品を貫くバックボーンが再確認できる。特に「劇場のにおい」でまとめられている脚本を作成する際の工夫や、生む苦しみなどは改めて感心した。タイトル「一升枡の度量」は、分に過ぎた状態にある日本経済に警鐘を鳴らしているが現在でも全くその通りだと思う。お薦め2017/04/06
toshi
11
様々なところに発表され、単行本には未収録の短文をまとめたもの。 池波正太郎の新刊が読めるとは嬉しい限り。 作品のモチーフや裏話的な内容のものも有ったりして興味深く読めた。2016/05/16
HaruNuevo
8
時代小説、歴史小説の大家となる前に、舞台脚本家として経験したことが、お池波正太郎さんの綴る文章の小気味良さと奥深さに繋がっているのだろう。歴史、舞台、旅、自身の若き頃等等縦横に語る池波正太郎さん流名エッセイ集。2023/03/31