内容説明
「塩梅屋」の看板娘のおき玖が、南町奉行所の同心・伊沢と祝言を挙げ、店には、午後四時頃までという約束で、通うことになった。夏のある日、季蔵たちが賄いを食して、しばらくたった時、店の近くで、すり騒ぎが起きた。そんな最中に、貧しいひとからはお金をとらない、巷では有名は医者・岡野玄良先生が「塩梅屋」に現れて――太刀魚と揚げ蓮根はさみ、滋味そうめん、揚げおにぎり、こんにゃくと枝豆のずんだ、冷やし煎餅…夏の暑さに負けない、美味しくて身体に優しい料理と市井の人々の人情、そして季蔵の推理が、ますます冴えわたる大ベストセラー書き下ろしシリーズ、第二幕、待望の幕上げ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
47
シリーズ28作目。瑠璃さんがしゃべった!と「クララが歩いた!」ぐらいの勢いで思った。このままよい主治医が見つかって回復に向かえばいいのにと思いきや、そうはいかないのがこのシリーズの醍醐味。お料理相変わらずおいしそうでした。2018-962018/05/08
優希
45
夏に優しい料理と人情でほっこりです。2022/08/21
ワッピー
22
たまたま書店で手に取ったものの、どうやら長く続いたシリーズらしい。藩を出奔し、武士をやめて料理人となった季蔵と元の許嫁の記憶喪失を軸に、座頭殺しと毒殺未遂の事件が交差する。市井の料理人でありながら、町奉行とも近しく、事件に巻き込まれる季蔵の料理帖。「滋味そうめん」「夏おにぎり」「冷やし煎餅」「江戸一穴子」の4編収録。全体に硬めの文章とこれまでの流れがわからないことにより未消化気味。和食の献立については、池波ワールドにハマっていた頃は実際に自分で試してみたこともありましたが、今は想像のみで満足しています。2019/04/25
ううち
22
おき玖ちゃんがすっかり幸せそうになっていて嬉しい。新たな先生の治療で、瑠璃さんも少し回復してきたかと思ったのに…なかなか恵まれませんね。夏おにぎりが美味しそうでした。田端様がお料理を食べてくれてちょっと驚き。2015/11/04
えみりん☆
20
第二幕の開幕とのことで早速読んでみましたが、今まで通り?おき玖ちゃんが嫁に行き少々寂しさの漂う一膳飯屋「塩梅屋」だけど、ドタバタと話は進んで行きます。悪の黒幕が信頼を置いていた人であることの確証を掴むと庇い立てしたいのも分かるし、何より瑠璃さんの今後が心配になります。鰻料理穴子料理は今が旬で、なかなか美味しそうです。いろんな種類のおにぎりを俵型に握って衣をつけて揚げるのは冷蔵庫なんて無い時代の庶民の知恵だと感心しました。鰻の生血に毒があるのは知りませんでした。というか、鰻の刺身って有りなのかしら?!蒲焼き2015/07/25