内容説明
闇の帝王・結城に操られていた男に銃で撃たれた相場師・狂介は、そのまま昏睡状態に陥り生死をさまよっていた。恋人の福助が見守るも、一向に意識が戻らない状態が続く……。そんな中、一九二三年に関東大震災が発生し、狂介をさらなる悲劇が襲う。結城は、震災は好機だと、米国のキングメーカー・ホルムズと手を取り『世界壊滅計画』に向けて新たな策を張り巡らすのであった。狂介の運命やいかに?!大好評シリーズ第九弾、いよいよ佳境へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
ここまで話を広げすぎてしまってどう決着をつけていくのかと思いきや、主人公が狙撃にされてしばらくいない感じになります。その間悪の帝王たちが、世界を壊滅させようとする話が描かれています。結構最初に相場師の話だと思っていたのが、完全にエンタテイメントに様変わりしてしまって戸惑っている読者もいる気がします。私は嫌いではないので楽しんでいます。ある意味経済的な観点からの伝奇小説だと割り切っています。荒俣さんの帝都物語を再読したくなりました。2016/09/03
活字の旅遊人
44
話が繋がってきたが、これだけの「陰謀論」をぶち上げるなんて、すごいな。理不尽、不可解な決断と思われるところを、空想の計画でつないでいくというやり方。催眠術や古代文明を使うからむしろ嘘だと思いやすいけれど、表舞台の話は概ね史実とされていることなのだろうから、本書が読まれ過ぎたらむしろ危険なのではないか? と心配してしまった。『門』と『鍵』のイメージがいまいち湧かないのだが、ここまでやってくれるなら最終巻まで一気に読んでしまおう、という気持ちになる。そして『「いき」の構造』は読むしかないよね。うん。2022/02/15
まつうら
33
前巻の最後で凶弾に倒れてしまった狂介。この第9巻で狂介が眠ってしまっている間に、結城とホルムズの闇の存在が着々と世界破滅への準備をすすめていく。結城に痛恨の一撃を喰らってしまったのは、高橋是清の後任蔵相に馬場鍈一を就任させてしまったこと。馬場は財政を無視した軍拡予算を組んでしまい、銭でコントロールできるはずだった戦争を制御不能にしてしまった。これによって、銭が戦争を扇動するという最悪の状況に。。。かくなるうえは、狂介に復帰してもらい、赤根とともに闇の存在を止めてもらうしかない。いよいよ最終巻へ!!2022/06/22
もえたく
13
シリーズ第9巻。主人公の相場師狂介は、闇の帝王結城の刺客の銃弾に倒れ、昏睡状態に。そして関東大震災が起き、日本は混乱。主人公が全く活躍しない巻で、否が応でも、最終巻が気になります。2016/09/19
あっきー
10
✴3 米大統領を銭の力で操れる程の超富豪が退屈だから世界を破滅させ消滅させる戦争を起こすとは奇妙で理解できない話だ、金儲けの自分が作り上げたシステムも崩れるだろうし、その支配的な地位も自分だけは大丈夫と思っているのだろうか? なんとしても秩序維持しようとする側だと思うが…、最終巻を前に主人公不在で話がややこしくなってきた、実在の人物はヒトラー登場 2018/06/01