内容説明
立場茶屋おりきでは、女将と大番頭が、板前の巳之吉が特別の想いで用意してくれた朝餉を頂こうとしていた。するとそこへ、明日の晩、娘・お佐保の百日の祝いをやりたいと、甲本屋の使いがやって来た。どうやら特別な理由があるらしい…。大切なひとを続けて亡くしたおりきだが、悲しむ間もなく、新たなお客を迎える準備に余念がない。心と身体が温まる、料理と人情が評判の大人気書き下ろしシリーズ、待望の第二十一弾、ますます絶好調。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
120
立場茶屋おりき「佐保姫」21巻。今回も心温まる良い物語でした、親しい人が亡くなり新しい命が芽生えるその中に、凛と光るおりきさん良いな~。2015/12/23
Walhalla
43
『立場茶屋おりき』シリーズの21作目です。タイトルの『佐保姫』について、本編でも少し触れられていましたが、興味があるので調べてみたところ、日本の四季を司る女神が和歌に歌われているそうです。春を司る佐保姫は、奈良の都の東側、佐保山を取り巻く薄衣のような春霞を織り出すとされており、夏の筒姫、秋の竜田姫、冬の宇津田姫の四姫が、都を中心にたとえられています。それらは季語とされ、文芸としてのその芸術性を高めながら現在に伝えられています。またひとつ、豊かな感性による日本の美しい文化に触れることが出来て嬉しいです。2020/09/07
はにこ
34
巳之吉との想いは分かりあっているはずなのに一向に進まないねぇ。。今回はおまきに慶事があったり彦蕎麦でひと騒動。そしてあすなろ園でも。子供だからとは言え、何だかねぇ。キヲも普段はみんなのおっかさんとか言っておきながら、何だかドン引き。。2022/01/30
ケイプ
17
「佐保姫」春の女神をそう呼ぶそうです。五行説では春は東の方角にあたり、平城京の東に佐保山があったことからそう呼ばれるようになり、また秋に当たる西には竜田山があることで秋の女神は竜田姫だそうです。そんな題名がついたおりきシリーズ第二十一弾。このシリーズやっと追いつきました。位牌師の春次の後添いとなり前妻の子供たちとも心が通じ始めてきたおまき。そんなおまきに嬉しい知らせが・・・。でもそれを素直に喜べない心の裡、その後のおまきを次作では読みたいです。2015/07/07
ドナルド@灯れ松明の火
16
秋の竜田、春の佐保なのか。一つ賢くなった。今作では娘のネーミングと祝い善、おまきの妊娠と落ち着いた話だった。2020/10/04