内容説明
妹が生まれて以来、家族から虐げられ、まるで使用人のような扱いをされてきた石井沙耶は、二十五歳にしてようやく実家から逃げ出し、ひとりアパートで暮らしていた。ある日、そんな沙耶のもとに、ノエと名乗る不思議な女性が現れ、「これを読んでください」と一冊のノートを手渡してきた。いったい何なの!?生と死の間の街にある「食堂つばめ」は、どんなメニューも食べ放題。スパイシーなカレーうどん、抹茶白玉あんみつ、ふっくらきつね色のホットケーキ…。心もお腹も満たされるハートフルファンタジーシリーズ第五弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
141
本作の主役の沙耶の両親が出てこなかったので少しモヤモヤ感が残るが終わり方はイイ。読み終えるとカレーうどんやホットケーキがなんかが食べたくなる・・・。2015/05/30
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
73
またまた色々考えさせられた。心って複雑だから、弱ったり疲れたりしているときは、余計にわからなくなったりするんだよね。でも、助けてくれる人が一人でもいるって考えたら、急に楽になるのよね。隆一が生き返って「本当に良かった」ってホッとしたし、もちろん沙耶も自分の人生を歩んでくれて本当に良かった。舞もね。カレーうどんや抹茶白玉あんみつ、食べたくなったな。やっぱり、おいしくご飯を食べられることって、「とっても幸せなことだな」ってつくづく実感する。しかも、お腹いっぱいに。色んなことに感謝。2017/05/20
りょうこ
71
シリーズ5作目!今回もサクサク読めました!それにしても...ひどい親だなぁ(。•́︿•̀。)ちょっと読んでて辛くなった。だけど最後は良かった!次も読もうっと!2017/03/20
nyanco
69
食堂つばめ、もう第5巻なんですね。「死」がモチーフとして使われるこのシリーズ、ダークになりすぎて心配した時もあったのですが、本作はバランスがとても良かったです。長編にしたことも正解だと思います。パクパク食べられて生き返る力はあるのに、帰ってからの居場所がないために再生を躊躇っている沙耶。家族から奴隷のように扱われ、やっと逃げ出すことが出来たのに…、一番大切であるべき家族から逃げることしか出来なった沙耶をどうするのか、ずっと気になっていた。沙耶自身が見つけてきた生き返りたいのに生き返れない青年・隆一。続→2015/07/08
hirune
68
片方の子を愛玩用とし もう片方は搾取するための子として育てる児童虐待。子供にとって家庭は全世界に等しいから、そこで受けた傷は深く重たい。今回生と死の間の街に迷い込んだ沙耶は家族から逃げてなお精神的な蹂躙から逃れられず苦しむ女性でした。一番の味方のはずの家族が裏返れば一番の敵となり、戦うにも植え付けられた罪悪感が邪魔をする。悲しく壮絶な現実です。誰に手を差し伸べられても結局前を向いて歩き出せるかは自分の覚悟次第。沙耶が頑張れて良かった☆2016/09/22